育種・遺伝Ⅰ

[V-20-08] エミューの生産形質とPLIN1遺伝子多型の関連

Yuichi Koshiishi¹, Michiko Okubo², Hiroki Hirayama², Kousaku Souma², *Kenta Wada² (1. NODAI Genome Research Center, Tokyo University of Agriculture, 2. Faculty of Bioindustry, Tokyo University of Agriculture)

Perilipin1（PLIN1）は、脂肪の分解・蓄積を調節するタンパク質であり、それをコードする遺伝子の多型はブタおよびニワトリの枝肉形質に関連することが報告されている。そこで本研究は、エミューの生産形質とPLIN1の遺伝子多型との関連を調査した。 供試材料は、北海道網走市において屠畜された2年鳥（n=293）の脂肪および肝臓組織由来のトータルRNAおよびゲノムDNAとした。PLIN1のcDNAおよびゲノムDNA配列はサンガー法によって決定し、293個体のジェノタイプと、脂肪重量および産肉重量との関連を調査した。 我々はPLIN1に6箇所の塩基置換を検出した。そのうちの1箇所、c.270C>Tジェノタイプと形質との関連を調査した結果、体重との有意な関連は認められなかった。一方、産脂肪重量は、CC、TCおよびTT型において、それぞれ0.24±0.06、0.20±0.06、および0.20±0.06 kgであり、CC型がTTおよびTC型に比べて有意に高かった（P<0.05）。産肉重量は、CC、TCおよびTT型において、それぞれ0.15±0.01、0.16±0.02、および0.16±0.02 kgであり、TTおよびTC型に比べて、CC型が有意に低い産肉量であった（P<0.05）。本研究は、PLIN1の遺伝子多型がエミューの産肉および脂肪生産形質に関連することを示唆した。