日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝Ⅰ

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第V会場 (4番講義室)

座長:和田 健太(東京農業大学)、石原 慎矢(日本獣医生命科学大学)、石川 明(名大院生命農)、鈴木 恒平(家畜改良セ)、谷口 雅章(農研機構畜産研)、福田 智一(岩手大理工)

10:50 〜 11:00

[V-20-12] 豚疾病と関連があるDNAマーカー多型と豚熱抗体価との関連について

*鈴木 香澄1,5、吉岡 豪1、新開 浩樹2、伊藤 智仁3、上西 博英4、北澤 春樹5、傍島 英雄1、清水 雅範1 (1. 岐阜畜研、2. 農研機構動衛研、3. 家畜改良事業団、4. 農研機構生物研、5. 東北大院農)

【背景】2018年に飼養豚への豚熱ワクチンの接種が開始され、子豚での安定した抗体価上昇を確保する方法が模索されている。豚疾病に対する抗病性と関連があるDNAマーカーの遺伝型はワクチン応答に影響を与えることも想定されるため、豚熱抗体価との関連を調査した。【方法】デュロック種子豚28頭(雄11頭、雌17頭)を供試した。母豚1頭から同日に得た初乳を均一化し、5ml/頭を出生日に経口投与した。14日及び30日齢(ワクチン接種日)、接種後2、4及び8週に採血し、市販ELISAキットを用いて豚熱抗体価を測定した。抗病性マーカーはNucleotide binding oligomerization domain 2(NOD2)と我々が第13染色体上に特定したウイルス病に抵抗性が期待されるEnhancer of Immune function and Resistance to disease(EIR)のSNP多型とした。【結果】ワクチン接種前の移行抗体価はNOD2、EIRともに明確な関連は見られなかった。接種後2週ではNOD2多型の抗病性型が感受性型と比較し有意に高かった(P=0.01)が、4週及び8週では差がなかった。EIRでは全期間において関連が観察されなかった。【考察】接種後の抗体価と抗病性マーカー多型との関連が示唆された。今後は、抗病性マーカーが抗体価に及ぼす機構解明に取組む必要がある。