日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝Ⅱ

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:40 第VI会場 (5番講義室)

座長:増田 豊(酪農大農食環境)、岡村 俊宏(農研機構畜産部門)、山崎 武志(農研機構北農研)、大澤 剛史(家畜改良セ)、阿部 隼人(北酪検)、舘林 亮輝(農研機構畜産部門)

09:30 〜 09:40

[VI-20-04] 制限付き選抜のための育種価のBLUPに対する重み付け値の算出法とその選抜反応

*佐藤 正寛1 (1. 東北大院農)

【目的】ブタの系統造成では、相対希望改良量を達成するための選抜(制限付き選抜)として、家系選抜指数を用いて改良目標形質の重み付け値(EW)を算出し、BLUP法による推定育種価とEWの積和を選抜の指標としている。本研究では、対象集団におけるすべての個体情報を用いてEWを算出した場合の選抜反応を従来の方法と比較した。【方法】家系選抜指数に基づくEWのベクトルをvFすると、vF=(H0P-1H0)-1kとなる。ここで、H0は個体ベースにおける改良目標形質と選抜形質との相加的遺伝共分散行列、Pは選抜形質の表型分散共分散行列、kは改良目標形質における相対希望改良量のベクトルである。対象集団におけるすべての個体情報によりEWを算出する場合、選抜候補iにおけるEWのベクトルviは、(H0’*JiA)ZP-1Z(H0*AJi) vi=k、の解となる。ここで、Jiはi番目の要素が1でそれ以外の要素が0のベクトル、Aは相加的血縁行列、Zは表型価と育種価との関係を表す生起行列である。改良目標形質を2形質とし、その遺伝率および遺伝相関を様々に変えた場合の選抜反応をモンテカルロ法シミュレーションにより比較した。【結果】対象集団におけるすべての個体情報から算出したEWによる選抜反応は、家系選抜指数によるEWよりも優れていた。また、遺伝相関が高くなるほど、両者の差は大きくなった。