日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝Ⅱ

2023年9月20日(水) 13:00 〜 15:30 第VI会場 (5番講義室)

座長:齋藤 ゆり子(農研機構畜産部門)、馬場 俊見(日ホ北支局)、小川 伸一郎(農研機構畜産部門)、竹田 将悠規(家畜改良セ)、造田 篤(全農ET研)、井上 慶一(宮大農)

14:00 〜 14:10

[VI-20-23] 黒毛和種牛肉中のミネラル含量に関する遺伝的パラメータの推定

*柴田 愛梨1、山根 瑞穂1、福馬 敬紘1、城田 圭子1 (1. 広島総技研畜技セ)

【目的】黒毛和種牛肉中のミネラル含量と、牛肉の肉色の変動要因であるミオグロビン含量及び枝肉格付6形質について、遺伝的パラメータを推定した。また、各形質間の表型値の関連性について調査した。【方法】材料は、広島県産黒毛和種(2,160頭)の第6~7肋骨間の胸最長筋とした。ミネラル含量は、乾式灰化後、ICP発光分光分析装置により測定した。ミオグロビン含量は、比色法により測定した。遺伝的パラメータは、AIREMLF90を用いた単形質アニマルモデルREML法によって推定した。分析形質には、無脂肪乾物中に換算したミネラル含量(Na、Mg、K、Ca、P、Fe)、ミオグロビン含量及び枝肉格付6形質(枝肉重量、ロース芯面積、バラの厚さ、皮下脂肪厚、歩留基準値、脂肪交雑)を用いた。【結果】Na、Mg、K、Ca、P及びFeの遺伝率はそれぞれ、0.04、0.05、0.07、0.09、0.04、0.20と推定された。また、ミオグロビン含量の遺伝率は0.37、枝肉格付6形質の遺伝率は、0.33~0.58の範囲で推定された。各ミネラルの表型値間の相関係数については、MgとPで最も高い0.93、KとFeで最も低い0.17となった。ミオグロビン含量と、Mg及びFeとの間に中程度の正の相関が認められた(0.42、0.44)。また、枝肉格付6形質と各ミネラル間の相関係数は、-0.12~0.28の範囲で示された。