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[VI-20-24] 黒毛和種雌牛の採卵性形質における気温を考慮した遺伝的能力評価をめざした予備的検討
【目的】ウシにおける採卵性形質の遺伝的能力評価に際し、気温の効果に着目した報告はない。本研究では、黒毛和種雌牛の採卵性形質に関する遺伝的能力評価における気象庁データの活用をめざした予備的検討として、①牛舎内気温と採卵成績との関連性、②牛舎内気温の観測開始以前に得られた採卵成績と気温情報を結びつける目的で牛舎内気温と気象庁気温データとの類似性、についてそれぞれ調べた。【方法】全農ET研究所で飼養されている供卵牛537頭より2022年4月から2023年3月にかけて採卵成績1,847件を収集した。牛舎内に設置された温度湿度計により、同期間に測定された牛舎内気温データを用いた。ET研究所近傍の複数観測地点における気象庁気温データを取得し、気温減率ならびに距離を考慮した逆加重法により牛舎内気温を推定した。【結果】①採卵日の7日前(AI日)の牛舎内気温と一度の採卵で得られた高品質胚率の間に正の相関(0.246)がみられた。②最近傍の観測地点のみならず複数地点を用いることで、牛舎内気温との類似性は高まった。今後、環境要因として気温情報を考慮した採卵性に関する遺伝的能力評価モデルの構築を目指し検討を進める予定である。