日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝Ⅱ

2023年9月20日(水) 13:00 〜 15:30 第VI会場 (5番講義室)

座長:齋藤 ゆり子(農研機構畜産部門)、馬場 俊見(日ホ北支局)、小川 伸一郎(農研機構畜産部門)、竹田 将悠規(家畜改良セ)、造田 篤(全農ET研)、井上 慶一(宮大農)

14:20 〜 14:30

[VI-20-25] 北海道内の枝肉市場における牛枝肉の瑕疵発生状況調査

*五十嵐 隆一1、口田 圭吾1 (1. 帯畜大)

[目的]牛枝肉の瑕疵は価値を低下させ、生産者に大きな経済的損失をもたらす可能性がある。本研究では、牛枝肉の瑕疵の発生状況に関連する要因を調査した。[方法]2005年9月から2022年12月までに道内の枝肉市場で取引された41,385頭の黒毛和種を用いた。それぞれの瑕疵に対する性、格付年次、農場、屠畜月齢、格付形質、種雄牛の影響について調査した。[結果]全体の瑕疵発生率は12.69%であった。年次別の瑕疵発生率は2005年の7.91%から2022年の20.95%と増加し、瑕疵別にみるとシコリが0.99%から7.32%、アタリが4.55%から7.85%に増加する中、シミは0.79%から0.21%と減少傾向にあった。性別では、去勢が6.79%から17.49%、メスが10.87%から26.19%にそれぞれ増加した。全期間のアタリ発生率は去勢が3.01%に対しメスが6.09%、カツジョは去勢が1.60%に対しメスが2.94%と約2倍発生していた(P<0.01)。シミのみ去勢の発生率(0.54%)がメス(0.16%)に比べ有意に高かった。300頭以上出荷した農場の瑕疵発生率は6.12%から19.48%の範囲であった。屠畜月齢は27から32か月齢の範囲で瑕疵発生率が低かった(11.61~12.50%)。300頭以上の産子を残した種雄牛の瑕疵発生率は8.96%から18.46%の範囲であった。