日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝Ⅱ

2023年9月20日(水) 13:00 〜 15:30 第VI会場 (5番講義室)

座長:齋藤 ゆり子(農研機構畜産部門)、馬場 俊見(日ホ北支局)、小川 伸一郎(農研機構畜産部門)、竹田 将悠規(家畜改良セ)、造田 篤(全農ET研)、井上 慶一(宮大農)

15:20 〜 15:30

[VI-20-31] 黒毛和種経産牛における飼養形態、産次数および種雄牛が画像解析で算出した脂肪色に及ぼす影響

*野村 凪沙1、口田 圭吾1 (1. 帯畜大院)

[目的] 経産牛肥育とは肉資源の有効活用を目的に、繁殖牛としての役目を終えた雌牛を肥育する生産方式である。しかし、脂肪色の黄色化が課題となっていることから、本研究は飼養形態などが脂肪色に与える影響について調査した。 [方法] 供試牛は2016年9月~2022年7月に北海道内の枝肉市場に出荷された黒毛和種経産牛である(n=1,040)。枝肉横断面はミラー型撮影装置で撮影し、皮下脂肪におけるb*値(以下、皮下b*)を画像解析にて算出した。従属変数をBFSならびに皮下b*、要因を格付年(7区分)、飼養形態(5区分)および産次数(6区分)とした分散分析を実施した。また、種雄牛の影響についても調査した。 [結果] BFSならびに皮下b*に対する格付年、飼養形態および産次数の効果はすべて有意であり(P<0.01)、飼養形態については一貫生産ならびに二飼養地生産(最終飼養期間:365日以内)の個体が他の形態と比較して黄色化する傾向にあった。産次数1以上では産次数の増加とともにBFSならびに皮下b*は上昇した。一方で、産次数0は産次数4~6の個体と類似した脂肪色を示した。種雄牛の脂肪色に与える影響は有意であり(P<0.01)、種雄牛別におけるBFSの最小二乗平均値は3.0~4.6の範囲にあった。BFSおよび皮下b*が高い値を示した種雄牛を父とする個体は産次数が多い傾向にあった。