日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理

2023年9月20日(水) 13:00 〜 16:20 第VII会場 (21・22番講義室)

座長:辰巳 隆一(九大院農)、岩崎 智仁(酪農大食と健康)、佐藤 幹(東北大)、磯部 直樹(広大院生物圏)、室谷 進(農研機構畜産部門)

13:50 〜 14:00

[VII-20-22] 野草主体草地での日本短角種去勢雄の経年的な放牧飼養が草地植性および日本短角種の増体成績に与える影響

*花岡 諒1、藤本 玲奈1、菊池 貴子2、石川 一郎3、小笠原 英毅1 (1. 北里大獣医、2. スターゼン(株)、3. 社会福祉法人月山福祉会)

【目的】北里大学獣医学部附属FSC八雲牧場(八雲牧場)では放牧と自給粗飼料のみで肉用牛を生産しており、2019年より山形県の5年間耕作が放棄された草地を利用した実践的研究を行っている。これまで野草主体の草地で放牧飼養した日本短角種去勢雄の増体成績に関する報告は少ない。本研究では野草主体草地での日本短角種去勢雄の経年的な放牧飼養が草地植性と増体成績に与える影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】調査期間は2020から2022年の放牧時期とし、野草主体の草地に育成期から肥育期の日本短角種去勢雄を毎年最低でも8頭の牛群で放牧した。また、八雲牧場で放牧飼養する肥育期の日本短角種去勢雄を対照とした。試験草地では毎月、冠部被度、基幹草種の草丈を測定した。月に一度、体重測定を行い、日増体量を算出した。さらに、血液成分(NEFA、Glu、TG、T-CHO)を測定した。 【結果】試験草地の基幹草種はノコンギクであり、その冠部被度および草丈は放牧期間依存的に減少傾向にあった。また、試験牛の試験期間全体の日増体量は2020、2021、2022年でそれぞれ0.4±0.1、0.4±0.1、0.6±0.3kg/日で対照より高かった。血液成分は全期間、全項目で正常の範囲内であった。以上より、野草主体草地での日本短角種去勢雄の放牧飼養は野草の生育抑制と一定の増体量を確保可能なことが明らかとなった。