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[VII-20-23] 黒毛和種におけるメタン産生関連形質および生理指標に及ぼす候補種雄牛の影響
【背景と目的】肉用牛からのメタン産生を抑制する方策の一つとして育種的な手法が注目されている。本実験では、メタン産生関連形質および生理指標への候補種雄牛の影響を検討することを目的とする。【材料と方法】黒毛和種種雄牛21頭の後代牛157頭を供試し(雄:46頭, 雌:111頭)、肥育前期(平均12.7ヶ月齢)にスニファー法によるメタン産生量(CH4)の測定と血液、ルーメン液採取を行った。余剰CH4は、CH4実測値から、乾物摂取量をもとに算出したCH4予測値を差し引くことで算出した。各形質の測定値は最小二乗法により後代牛の性の効果を前補正した。後代牛の記録を用い、余剰CH4と肥育前期の日増体量(DG)を変数として、クラスター分析により種雄牛を4つのグループに分けた。生理指標について、クラスターごとの特徴を検討した。【結果】CH4、余剰CH4、CH4/DMIにおいて、候補雄牛間に有意差が認められた(P < 0.01)。クラスター分析による低余剰CH4・高DGグループは、高余剰CH4・低DGグループに比べて、ルーメン液のNH3濃度および血中BUNが低く、血中NH3、valine、lysine濃度が高かった(P < 0.01)。また、クラスター間で枝肉重量に有意差が認められた(P < 0.01)。以上、候補種雄牛によって、後代のメタン産生関連形質および生理指標に異なる特徴が示された。