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[VII-20-24] 放牧および自給粗飼料で生産したダブルマッスル日本短角種の各骨格筋における筋線維型構成および脂肪滴含有筋線維の割合
【目的】ダブルマッスル形質を有する動物は筋抑制因子のミオスタチンが部分欠損し、筋組織が著しく肥大する。放牧および自給粗飼料で生産するダブルマッスル形質を有する日本短角種(DMJ)の大腿二頭筋では遅筋型が多い近位部で速筋型が多いことが明らかとなっている。前回大会において我々は放牧および自給粗飼料で生産する日本短角種(NJ)の全身10部位における筋線維型構成および脂肪滴含有筋線維の割合を報告した。一方、DMJの大腿二頭筋以外の骨格筋での筋線維型構成は不明である。したがって、本研究ではDMJの各骨格筋の筋線維型構成および脂肪滴含有筋線維の割合を解析した。【方法】供試動物はDMJ1頭およびNJ4頭を用い、放牧終了後に出荷し、枝肉から鎖骨頭筋乳突部、僧帽筋、胸最長筋、趾伸筋などの計12部位を採取した。得られた筋組織は組織化学的染色を行い、筋線維型構成(Ⅰ、ⅠD、ⅡA、ⅡB型)、脂肪滴含有筋線維の割合、各筋線維型の短径を算出した。【結果】ⅠD型の割合が高い鎖骨頭筋乳突部において、DMJではⅡB型の割合が高く、脂肪滴含有筋線維の割合は僧帽筋など3部位でDMJが低かった。ⅡB型の短径は趾伸筋など4部位でDMJが低かった。以上より、放牧および自給粗飼料で生産されるDMJの各骨格筋では速筋型の割合が高いDM形質を有する一方で、ⅡB型の短径が小さい部位が存在することが明らかとなった。