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[VII-20-27] ナトリウムーグルコース共輸送体SGLT1はニワトリにおいて甘味受容分子として機能する
【緒言】ニワトリは糖質を含む穀物をよく食べるが、甘味を受容する分子実体は不明であった。ヒトにおける主要な甘味受容体はT1R2/T1R3ヘテロダイマーであるが、ニワトリはt1r2遺伝子が偽遺伝子化しているためT1R2/T1R3を持たない。ニワトリにおいてはT1R非依存的な甘味受容経路が存在し、その分子実体候補としてナトリウムーグルコース共輸送体(Sodium glucose co-transporter 1 (SGLT1))が挙げられていた。本研究では、ニワトリSGLT1(cSGLT1)の糖負荷時におけるナトリウム取込能等について電気生理学的手法を用いて明らかにすることを目的とした。【方法】ヒト胎児腎臓由来細胞(HEK293T細胞)にcSGLT1/pcDNA3.1(+)をトランスフェクションし、cSGLT1を発現させた細胞を構築した。これらの細胞に対してグルコース、ガラクトース、マンニトール、および非代謝性糖であるmethyl-α-D-glucopyranoside (MDG)等を負荷した時のナトリウム電流をホールセルパッチクランプ法にて観察した。【結果】cSGLT1はマンニトールには応答しなかったが、グルコース、ガラクトース、およびMDG負荷時にナトリウムイオンを細胞内へ輸送することが示唆された。【考察】ニワトリはSGLT1を介して甘味物質とナトリウムイオンを味細胞内に取込むと推察された。