日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理

2023年9月20日(水) 13:00 〜 16:20 第VII会場 (21・22番講義室)

座長:辰巳 隆一(九大院農)、岩崎 智仁(酪農大食と健康)、佐藤 幹(東北大)、磯部 直樹(広大院生物圏)、室谷 進(農研機構畜産部門)

15:50 〜 16:00

[VII-20-34] クマリンなどの匂い成分に対するニワトリの行動応答

*小山 和士1、川瀬 ひかり1、宮城 大芽2、川端 二功1,3 (1. 弘前大農生、2. 弘前大院農生、3. 岩手連大)

【目的】動物の摂食行動には味覚だけでなく嗅覚の関与が大きいが、ニワトリにおいては知見が十分とは言えない。ニワトリにとって何が良い香りで何が悪臭なのか明らかにすることは、ニワトリの行動を制御する上で重要な情報となると考えた。本研究では、数種の匂い成分に対するニワトリの行動を観察し、ニワトリがどのような匂いを感じることができるのか検証することを目的とした。【方法】ロードアイランドレッド種ヒナをケージに入れ、蒸留水または11種類の匂い溶液を滴下した濾紙を呈示した。ケージ内の領域を濾紙の周辺とその外縁部に分類し、ニワトリヒナの移動距離や移動速度、各領域の滞在時間などのパラメーターを行動観察用ソフトで3分間解析した。【結果】100 mMクマリン溶液を呈示することで、蒸留水を呈示した時と比べて総移動距離や平均速度が上昇し、静止時間は減少した。一方で、100 mMアセトフェノンと100 mM(-)-カルボンでは、匂い溶液の外縁部での移動距離が減少した。【結論】ニワトリはクマリン、アセトフェノン、および(-)-カルボンの匂いを感じ、行動が変化することが示唆された。