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[X-20-02] 肉用牛ふんの堆肥化処理施設における温室効果ガスの発生量
【目的】堆肥化実処理施設における温室効果ガス(GHG)の発生量については測定例が少なく、GHG発生量精緻化のためには実際の発生量を把握する必要があるため、肉用牛ふんの堆肥化処理施設でのGHG発生量を調査した。【方法】茨城県畜産センター肉用牛研究所に設置されている直線型堆肥化処理施設において2022年から2023年にかけて夏季、秋季、冬季のGHG発生量を固定チャンバー法により測定し、堆肥化処理施設からのGHGガス発生量を推計した。【結果】直線型堆肥化処理施設は全長50mあり、堆肥堆積物の長さは約30 m前後であった。原料投入側から5 m間隔でN2OとCH4のガス発生量(フラックス)を測定したところ、CH4は夏季・秋季・冬季のいずれの時期も原料投入側が最も発生量が大きくなった。N2Oは、夏季は堆積物の中央付近で高い発生量が観察されたが、秋季・冬季についてはそれに加えて原料投入直後の位置でも高いピークが観察された。ガスフラックスから推計した堆肥化処理施設からのGHG発生量はCH4が24~70 kg CO2-eq/day、N2Oが60~200 kg CO2-eq/dayとなり、特にN2Oについては寒冷期に発生量が高くなる傾向がみられた。本研究は、農林水産省プロジェクト研究「畜産からのGHG排出削減のための技術開発」の支援を受けて実施した。