日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境・動物介在・畜産経営

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第X会場 (34番講義室)

座長:宮竹 史仁(帯広畜産大学)、鍋西 久(北里大獣医)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、林 英明(酪農大獣医)

09:10 〜 09:20

[X-20-02] 肉用牛ふんの堆肥化処理施設における温室効果ガスの発生量

*福本 泰之1、坪井 佑季2、島﨑 百伽3、和木 美代子1、安田 知子1 (1. 農研機構畜産研究部門、2. 茨城県畜産セ肉牛研、3. 長崎県畜産研究部門)

【目的】堆肥化実処理施設における温室効果ガス(GHG)の発生量については測定例が少なく、GHG発生量精緻化のためには実際の発生量を把握する必要があるため、肉用牛ふんの堆肥化処理施設でのGHG発生量を調査した。【方法】茨城県畜産センター肉用牛研究所に設置されている直線型堆肥化処理施設において2022年から2023年にかけて夏季、秋季、冬季のGHG発生量を固定チャンバー法により測定し、堆肥化処理施設からのGHGガス発生量を推計した。【結果】直線型堆肥化処理施設は全長50mあり、堆肥堆積物の長さは約30 m前後であった。原料投入側から5 m間隔でN2OとCH4のガス発生量(フラックス)を測定したところ、CH4は夏季・秋季・冬季のいずれの時期も原料投入側が最も発生量が大きくなった。N2Oは、夏季は堆積物の中央付近で高い発生量が観察されたが、秋季・冬季についてはそれに加えて原料投入直後の位置でも高いピークが観察された。ガスフラックスから推計した堆肥化処理施設からのGHG発生量はCH4が24~70 kg CO2-eq/day、N2Oが60~200 kg CO2-eq/dayとなり、特にN2Oについては寒冷期に発生量が高くなる傾向がみられた。本研究は、農林水産省プロジェクト研究「畜産からのGHG排出削減のための技術開発」の支援を受けて実施した。