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[X-20-05] もみ殻燻炭の添加が乳牛ふん堆肥化過程における温室効果ガスの揮散に及ぼす影響
【目的】土壌改良資材として利用されているもみ殻燻炭であるが、脱炭素社会の構築に向けた機運が高まるなか、その炭素貯留効果にも注目が集まっている。またもみ殻燻炭は多孔性を有しており、堆肥化副資材として利用することで通気性の向上が期待できる。そこで本研究では乳牛ふん堆肥の副資材の一部をもみ殻燻炭で代替した時の堆肥温度、および温室効果ガスの揮散に及ぼす影響を評価した。【材料および方法】乳牛ふんと細断麦稈の混合物に対し、麦稈の一部を代替することで燻炭を乾物当たり15%(15%区)添加した区、および無添加の対照区を各区3連で設定し、水分75%に調整した。それぞれ30kgを断熱処理した塩ビ管に充填し、底部には排水資材を敷設した。堆肥化期間は49日間とし、期間中に2回の切り返しを実施した。堆肥温度は30分毎に測定し、チャンバー法によりヘッドスペースガスを1日1回採取することでメタンおよび一酸化二窒素濃度を測定した。【結果】堆肥温度はいずれの区も65℃を超える値が認められ、55℃以上の高温持続時間については対照区が114.3時間、15%区が115.3時間と同程度の値であった。対照区および15%区のメタンの総揮散量は10.7および9.5 g C/m2、一酸化二窒素の総揮散量は671.9および531.2 mg N/m2といずれも15%区の方が低い傾向にあったが両者の間に有意差は認められなかった。