日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境・動物介在・畜産経営

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第X会場 (34番講義室)

座長:宮竹 史仁(帯広畜産大学)、鍋西 久(北里大獣医)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、林 英明(酪農大獣医)

09:50 〜 10:00

[X-20-06] 分娩間隔が長い黒毛和種繁殖農場における初回人工授精時の受胎率の特徴

*鈴木 應介1、上松 瑞穂2、北原 豪3、大澤 健司3、佐々木 羊介1 (1. 明治大農、2. NOSAI宮崎、3. 宮崎大農)

【目的】黒毛和種繁殖農場では、生産効率を向上させるために分娩間隔の短縮が求められる。そこで、本研究では農場毎の分娩間隔を用い、分娩間隔が長い農場における初回人工授精(AI)時の受胎率の特徴を調査した。【方法】本研究では宮崎県の黒毛和種繁殖農場742農場を対象とし、2005年から2014年の73,749産次記録124,781交配記録を使用した。農場毎に分娩間隔の平均を算出し、下位25%を短農場(186農場、≦389日)、上位25%を長農場(186農場、424日≦)、残りの中位50%を中農場(370農場)とした。多階層混合効果モデルを使用し、被説明変数は初回AI時における受胎率、説明変数は農場分娩間隔、産次、交配季節、分娩後初回AI日数、変量効果は農場及び交配年とした。【結果】平均受胎率は55.9%であり、受胎率は全ての説明変数と関連していた(P<0.05)。また変数間に交互作用がみられ、9産以上では農場分娩間隔による受胎率に差はみられなかったが、1-8産では長農場の受胎率は短農場より低く(P<0.05)、中農場とは差がなかった。また、長農場では分娩後初回AI日数が短くなるにつれて受胎率が有意に減少した(P<0.05)。交配季節はどの農場分娩間隔においても冬と春に受胎率が低かった(P<0.05)。長農場では初回AIのタイミングの見極めが重要だと考えられる。