日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境・動物介在・畜産経営

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第X会場 (34番講義室)

座長:宮竹 史仁(帯広畜産大学)、鍋西 久(北里大獣医)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、林 英明(酪農大獣医)

10:20 〜 10:30

[X-20-09] 画像検知技術を用いた臀部幅による豚群体重推定システムの汎用性検証

*丸山 樹生1、坂下 倫汰2、奥田 雅貴1、両角 岳哉1、森下 直樹1、本橋 寛樹2、助川 慎1 (1. 日本ハム(株) 中央研究所、2. (株)NTTデータ)

<背景>養豚において肉豚は群単位で管理される。増体を管理する上で重要な指標として群平均体重が挙げられるが、人力での体重測定は飼育者と豚両方の負担が大きく頻繁な実施は難しい。そこでカメラから取得できる臀部幅と日齢を用いて体重を推定し(50∼90日齢)、豚群体重を容易に確認できるシステムの構築を試みた(第128回大会)。今回は、本システムについて開発環境とは異なる農場での運用可否及び適用日齢の拡大を検証した。
<方法>本システムではカメラが豚の臀部幅(px)を取得し遠近を補正してcmへと変換、推定臀部幅と日齢を合わせる事で機械学習モデルによる体重推定を行う。今回は豚の体重を実測し、本システムで臀部幅を算出した(28∼131日齢)。28∼91日齢の豚に関して臀部幅と日齢に対する実測体重の相関を検証した。次に、82∼131日齢の豚に関して臀部幅と実測体重の関係を検証した。
<結果と考察>主成分分析により臀部幅と日齢を縮約すると、体重との相関係数は0.98となった(28∼91日齢)。以上から、若齢豚において臀部幅は体重の共通指標であり農場を問わず本システムを活用できる事が示された。82日齢以上では臀部幅・日齢毎の体重の分散が拡大する傾向が読み取れた。これは若齢豚で活用した臀部幅と体重の関係式が一定日齢以上では適用できない可能性を示している。本システムの全日齢適用方法は今後検討していく予定である。