日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境・動物介在・畜産経営

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第X会場 (34番講義室)

座長:宮竹 史仁(帯広畜産大学)、鍋西 久(北里大獣医)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、林 英明(酪農大獣医)

10:40 〜 10:50

[X-20-10] 赤外線サーモグラフィー画像からのウシの眼球座標検出方法の検討

*三輪 雅史1、久保田 海雄1、阪谷 美樹1 (1. 農研機構畜産部門)

【目的】体温測定はウシの健康管理において有効な手段であるが、測定に際し労力や動物への負担が生じる。本研究では赤外線サーモグラフィーカメラを用いて非接触かつ自動で体温測定を行う技術を開発するための予備検討として、赤外線サーモグラフィー画像から深部体温と相関の高い眼の座標を検出する方法を検討した。【方法】黒毛和種繁殖雌牛を単房に移動し、赤外線サーモグラフィーカメラ(FLIR Systems, T540)を設置して1分間隔で撮影を行った。収集した赤外線サーモグラフィー画像に前処理(高解像度化、色調補正)を施した上で深層学習によるトップダウン型キーポイント検出モデルによる推論を行い、ウシ領域と身体部位(眼)の座標を検出した。ウシ領域検出にはYOLOXを、キーポイント検出にはAnimal Poseを採用した。モデルの学習には赤外線サーモグラフィー画像ではなく可視光カメラの画像を用いた。【結果】800フレーム(13.3時間)を対象に推論を行ったところ、前処理なしでは69フレーム(1.2時間)でしかウシを検出できなかったが、前処理を行うことで285フレーム(4.8時間)でウシの検出が可能となり、うち185フレーム(3.1時間)で左右いずれかの眼の座標検出が可能であった。適切な前処理を行うことで、可視光カメラの画像で学習させた深層学習モデルを赤外線サーモグラフィー画像の推論に応用できることが示唆された。