日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境・動物介在・畜産経営

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第X会場 (34番講義室)

座長:宮竹 史仁(帯広畜産大学)、鍋西 久(北里大獣医)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、林 英明(酪農大獣医)

11:30 〜 11:40

[X-20-15] 黒毛和種肥育牛の毛中コルチゾル濃度の季節変動

*柴田 光浩1、小林 光士2、溝脇 実央2、永瀬 正幸2、岩本 允2、林 実佐子2、二宮 茂1 (1. 岐阜大応用生物、2. JA飛騨ミート)

【目的】コルチゾル(糖質コルチコイド)は副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンであり、ストレス反応時にも分泌される。そのため、動物のストレスの生理指標として幅広く利用されている。しかし、血液では採血自体が動物のストレス反応を引き起こし、また糞や尿は日内変動の影響を受けるため、慢性ストレスの評価には不向きである。そこで、黒毛和種肥育牛の生育環境が及ぼす慢性ストレスを調べるため、個体の毛中に蓄積されるコルチゾル濃度を測定した。【方法】JA飛騨ミート(岐阜県高山市)に2022年8月~2023年4月までの期間に搬入された肥育牛512個体を供試個体とした。尾の先端にある尾房の毛の一部を根本から約 5 cm採取し、1 g分をコルチゾル濃度の測定に用いた。コルチゾル濃度は酵素免疫測定法によって測定した。【結果と考察】毛中コルチゾル濃度に対し採取月の影響が統計学的に有意(p<0.05)であり、9月搬入個体で最も低く12月搬入個体で最も高かった。測定に用いたウシ尾毛には直近3ヶ月分のコルチゾル分泌が反映されており、暑熱ストレスなどの影響を反映している可能性が考えられた。