日本畜産学会第131回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表Ⅴ

2023年9月19日(火) 09:00 〜 10:45 第X会場 (34番講義室)

座長:宮口 右二(茨城大農)、福田 健二(帯広畜産大学)、豊後 貴嗣(岡山理科大学獣医学部)、黒瀬 陽平(北里大学 )

09:00 〜 09:15

[XYS-19-01] プロバイオティック乳酸菌の機能強化と菌体表層タンパク質および細胞外小胞がもたらす異なる免疫応答

*Jamiyanpurev Soyolmaa1、 生井 楓2,3、木下 英樹4、下里 剛士1 (1. 信州大バイオメディカル研、2. 東北大院農、3. 食と農免疫国際教 育研究セ、4. 東海大・農)

【背景】プロバイオティック乳酸菌には様々な健康効果が知られ、飼料用生菌剤の開発が進められている。我々は、乳酸菌の機能強化を目的として、Lacticaseibacillus rhamnosus GG(LGG)をモデル株にリボソーム工学(RE)を適用し、9種の育種株(LGG-MTs)を取得している。なかでも、rpsL遺伝子に変異を有するLGG-MTK56Nが免疫賦活作用を有することを発見した。そこで本研究では、REがもたらす菌体の変化に着目し、菌体表層タンパク質および細胞外小胞(EVs)を用いて解析を行った。
【方法】LGG-WTおよびLGG-MTK56Nの菌体表層タンパク質に加えて、超遠心処理によりEVsを回収し、PMF解析に供することで、タンパク質の同定を行った。またマウスマクロファージ細胞株を用いて免疫作用を解析するとともに、トランスクリプトーム解析によりREが菌体に与える影響について網羅的な調査を行った。
【結果】LGG-MTK56NではEVsの分泌量や形態、内包するタンパク質に影響を及ぼし、ABC transporter関連遺伝子の発現促進が認められた。興味深いことに、LGG-MTK56Nの菌体表層タンパク質がマウスマクロファージ細胞株からのTNF-αの産生を有意に誘導した一方で、EVsは抑制するという異なる作用を発見した。