日本畜産学会第131回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表Ⅴ

2023年9月19日(火) 09:00 〜 10:45 第X会場 (34番講義室)

座長:宮口 右二(茨城大農)、福田 健二(帯広畜産大学)、豊後 貴嗣(岡山理科大学獣医学部)、黒瀬 陽平(北里大学 )

09:45 〜 10:00

[XYS-19-04] Lacticaseibacillus paracasei OUT0010添加が乳酸菌培養とチーズ製造に与える影響

*林田 空1、萩 達朗1、中村 正2、八十川 大輔3、葛西 大介4、高谷 政宏4、大坪 雅史5、小林 美穂1、野村 将1 (1. 農研機構食品部門、2. 帯畜大畜産、3. 道総研食加研、4. とかち財団、5. 函館財団道工技セ)

【目的】Lacticaseibacillus paracasei OUT0010(以下OUT)は国産発酵食品から分離した補助スターターであり、チーズ製造時に添加すると熟成中のアミノ酸生成が早まる.本研究では,乳酸発酵速度が異なるLactococcus lactis 3菌株(A,B,C株)を用い,OUT添加が乳酸菌培養に与える影響を明らかにした.さらに、これら菌株でチーズを試作し品質を評価した.【方法】A,B,C株を10%スキムミルク培地にそれぞれ接種し,OUT添加/無添加の6区を30℃で0~72h培養した.培養液のpH,生菌数,遊離アミノ酸を測定した.また,A,B,C株及びOUTを組み合わせたスターターを用いゴーダチーズを4種類製造した(A単独,A+OUT,B+OUT,C+OUT).試作チーズについて,熟成日数1,30,60,90日目のpH,水分,生菌数,遊離アミノ酸を測定し,味認識装置で味質を評価した.【結果】スキムミルク培養では,乳酸発酵速度が遅いB株と中程度のC株は,OUT添加によりpH低下が早まった.また, 試作チーズでは,OUTの生菌数は熟成期間を通して1×108 cfu/g以上を維持した。一方で、Lc. lactisの生菌数は,30日目以降,菌株ごとに異なった.乳酸発酵速度が遅い乳酸菌でも,OUT添加により発酵速度が改善され,チーズスターターとして活用できる可能性が示された.