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[XYS-19-04] Lacticaseibacillus paracasei OUT0010添加が乳酸菌培養とチーズ製造に与える影響
【目的】Lacticaseibacillus paracasei OUT0010(以下OUT)は国産発酵食品から分離した補助スターターであり、チーズ製造時に添加すると熟成中のアミノ酸生成が早まる.本研究では,乳酸発酵速度が異なるLactococcus lactis 3菌株(A,B,C株)を用い,OUT添加が乳酸菌培養に与える影響を明らかにした.さらに、これら菌株でチーズを試作し品質を評価した.【方法】A,B,C株を10%スキムミルク培地にそれぞれ接種し,OUT添加/無添加の6区を30℃で0~72h培養した.培養液のpH,生菌数,遊離アミノ酸を測定した.また,A,B,C株及びOUTを組み合わせたスターターを用いゴーダチーズを4種類製造した(A単独,A+OUT,B+OUT,C+OUT).試作チーズについて,熟成日数1,30,60,90日目のpH,水分,生菌数,遊離アミノ酸を測定し,味認識装置で味質を評価した.【結果】スキムミルク培養では,乳酸発酵速度が遅いB株と中程度のC株は,OUT添加によりpH低下が早まった.また, 試作チーズでは,OUTの生菌数は熟成期間を通して1×108 cfu/g以上を維持した。一方で、Lc. lactisの生菌数は,30日目以降,菌株ごとに異なった.乳酸発酵速度が遅い乳酸菌でも,OUT添加により発酵速度が改善され,チーズスターターとして活用できる可能性が示された.