日本畜産学会第131回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表Ⅴ

2023年9月19日(火) 09:00 〜 10:45 第X会場 (34番講義室)

座長:宮口 右二(茨城大農)、福田 健二(帯広畜産大学)、豊後 貴嗣(岡山理科大学獣医学部)、黒瀬 陽平(北里大学 )

10:00 〜 10:15

[XYS-19-05] MIJ mobile with BEAK50を用いた黒毛和種枝肉横断面の客観的評価法の確立

*宮田 あゆ1、菊田 俊平2、林 哲也3、川路 鯛喜3、鹿野 淳3、口田 圭吾1 (1. 帯畜大院、2. 株式会社LeapWell、3. 株式会社MIJ labo)

【目的】牛枝肉横断面における画像撮影および解析技術は,枝肉の特徴を数値化することを可能にする.本研究では,牛枝肉カメラであるMIJ mobile with BEAK50による撮影画像を用い,格付形質に対する客観的評価の可能性を検討した.【方法】2023年5月に道内1箇所の枝肉市場に上場された黒毛和種を用いた.第6-7肋骨間枝肉横断面画像をMIJ mobile with BEAK50により取得した.画像について,長さ計測,MIJ枝肉画像データベース®による画像解析および解析値を使用したランダムフォレスト推定を実施した.自動抽出されるロース芯領域の精度を検証し,画像から得られるロース芯面積,ばらの厚さ,皮下脂肪の厚さおよびBMSを格付値と比較した.ばらの厚さは101頭,その他4形質は126頭を調査対象とした.【結果】精緻に手動で抽出したロース芯領域を真値とした際の自動抽出ロース芯領域のIoUは平均0.9953と極めて高かった.ロース芯面積,ばらの厚さおよび皮下脂肪の厚さの格付値と画像からの算出値との相関係数はそれぞれ0.97,0.94および0.96であった(P<0.01).解析値からの推定BMSと格付BMSとの差が±0,±0~1以内であった割合は50.0%および92.9%であった.本システムは枝肉横断面の様相を的確に捉えるもので,枝肉格付時の補助ツールとしての有用性を示唆するものであった.