日本発達心理学会 第26回大会

講演情報

大会委員会企画シンポジウム

ふたごの発達と教育

2015年3月21日(土) 12:30 〜 14:30 伊藤謝恩ホール (伊藤国際学術研究センター)

司会者:遠藤利彦(東京大学大学院教育学研究科)

12:30 〜 14:30

[AS4] ふたごの発達と教育

東京大学教育学部附属中等教育学校の双生児研究から見えてきたもの

遠藤利彦1, 村石幸正2, 川本哲也1, 福島昌子2, 黒澤力3, 黒澤鉄3, 菅原ますみ4 (1.東京大学大学院教育学研究科, 2.東京大学教育学部附属中等教育学校, 3.東京大学教育学部附属学校1994年度卒業, 4.お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科)

[企画主旨]:東京大学教育学部附属中等教育学校は、これまで 60 余年に亘って心身発達に関わる多様な双生児データを収集・蓄積してきている。もっとも、双生児研究の世界的動向に目を向ければ、数千、数万組規模の研究プロジェクトが既に複数、走っており、それらが人の生涯発達における「遺伝と環境」の影響機序に関わる先端的な知見を量産してきているという現状を見ない訳にはいかない。それらに比すれば、確かに附属学校の双生児サンプルのサイズは相対的に小さく、またそれは一卵性に比して二卵性双生児が少ないという人数構成上の偏りも有している。そして、このことは、そのデータが行動遺伝学におけるいわゆる「双生児を用いた研究」(一卵性と二卵性の遺伝的差異に着目し、ある能力や特性等の個人差に対する遺伝と環境の各影響を数値で算出)に必ずしも強みを発揮し得ないことを含意している。しかしながら、その一方で、学校教育という制度下において、全生活時間の約半分にも亘って双生児の行動実態に密着し、単にテストや心理尺度等においてデータ収集するのみならず、直に観察を行い、時に本人やそれを取り巻く家族や教師・友人等にもインタビュー等をなし得るという環境、また卒後も含め長期的に個人を追跡し得るという状況は、世界的に見ても希有であり、このことは、附属学校の双生児データが「双生児そのものに関する研究」において、その真価を十全に示し得る高い潜在的可能性を秘めていると言い得る。このシンポジウムが企図するところは、東大附属学校における双生児データが、双生児そのもの、そしてまた人一般の発達と教育に関していかなる独自の意味を有しているかを再確認し、これからのあり得べき研究の行方を占うことである。



抄録パスワード認証
抄録の閲覧にはパスワードが必要です。パスワードは以下に記載してあります。
1.大会DVDラベルに印刷

2.会場内に掲載されているアプリのポスター
3.受付にてパスワードを印刷した紙を配布

パスワード