日本発達心理学会 第26回大会

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学会委員会企画シンポジウム

生涯にわたる心の理論の発達

Sun. Mar 22, 2015 12:30 PM - 2:30 PM 講義室241 (工学部2号館)

企画:日本発達心理学会国際研究交流委員会
司会者:佐藤鮎美(京都橘大学健康科学部)

12:30 PM - 2:30 PM

[BS3] 生涯にわたる心の理論の発達

佐藤鮎美1, Lecce Serena2, 溝川藍3, 古見文一4, 東山薫5, 子安増生4 (1.京都橘大学健康科学部, 2.Department of Brain and Behavioural Sciences, University of Pavia, Italy, 3.明治学院大学心理学部, 4.京都大学大学院教育学研究科, 5.大阪国際大学短期大学部)

[企画主旨]心の理論(Theory of Mind)は,生涯にわたってどのように発達していくのだろうか。1983 年に Wimmerと Perner によって誤信念課題が考案・発表されて以来,30 年以上にわたり,ヒトの子どもを対象とした心の理論研究が発展してきた。従来の心の理論研究の多くは,幼児期の一次の誤信念の理解や,乳児期の他者の意図に対する敏感性や潜在的なレベルでの誤信念の理解を扱ってきた。乳幼児期の研究と比べると,児童期以降の心の理論の発達を扱った研究は非常に少ない。しかし,心の理論の発達は,幼児期の誤信念の理解で完成するものではない。児童期以降,学校や地域等での多様な他者とかかわりを通じて,入れ子式の二次の思考など,複雑な心的状態の理解が育まれ,子どもの社会生活は豊かさを増していく。また,心の理論に基づく自他理解や社会的行動は,個人が社会生活を送る中で,生涯にわたって成熟していくものと考えられる。
社会的存在としてのヒトの成長を考える上で,「文化」という視点も欠かすことはできない。誤信念課題の通過/非通過を扱った研究から,日本の幼児は欧米の幼児と比べて,誤信念課題の通過が遅れることが示されてきた。他方で,心の理論を基盤とした自他理解や社会的行動,並びに児童期以降の心の理論に関する比較文化研究は,着手されたばかりであり,今後の研究の発展が期待されている。
本シンポジウムでは,文化の視点を取り入れながら,幼児期から成人期の心の理論の発達について検討している若手研究者が話題提供を行う。幼児期における心の理論と他者評価への反応及びその文化差(溝川),児童期における心の理論のトレーニング(Lecce),児童期・成人期におけるロールプレイの効果(古見),成人期における心の理論の文化差の要因(東山)に関する話題提供の後,指定討論(子安)並びにフロアとの意見交換を行う。



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