17:30 〜 19:30
[CS3] 人生と病いの語り
病いや障がいを含むライフの経験に迫る生涯発達心理学を
[企画主旨]超高齢化社会の到来によって、長い人生を、病いや老いや喪失を抱えながらいかに生き、いかに死ぬかを問うことは現代における緊急の課題である。日本は超高齢化社会の先進国であり、実験国でもあるといえるが、そうであるからこそそこから新たな視点や課題が見え、新しい提案ができるのではないだろうか。
生涯発達心理学では、病いや障がいはともすれば「非定型」「異常」ととらえられ、それらを扱うのは臨床心理学や障がい心理学など、定型発達や健常発達のプロセスとは別のアプローチで考えられる傾向があった。しかし、長く生きることがあたりまえになった人生においては、誰もが多かれ少なかれ病いや障がいをもつことが避けられないのではないだろうか。したがって、人生において、病いや障がいをあたりまえの出来事として含みこんだ人生観や生涯発達観が必要になると思われる。長期ライフを考えれば考えるほど、それは社会・文化的文脈によって大きく左右され、個人差も大きく多様になるだろう。長期ライフを基盤とした、新しい「生涯発達心理学」の理論や方法論をつくっていくためには、人生をナラティヴ(もの語り)としてとらえ、社会・文化的文脈のなかで当事者の病いの語りや生きた経験を重視してきた「ナラティヴ・アプローチ」が有効ではないかと考えられる。病いや障がいを含むライフの経験に迫る生涯発達心理学を構想するために、「人生と病いの語り」をとりあげて、具体的な事例に基づきながら議論してみたい。
生涯発達心理学では、病いや障がいはともすれば「非定型」「異常」ととらえられ、それらを扱うのは臨床心理学や障がい心理学など、定型発達や健常発達のプロセスとは別のアプローチで考えられる傾向があった。しかし、長く生きることがあたりまえになった人生においては、誰もが多かれ少なかれ病いや障がいをもつことが避けられないのではないだろうか。したがって、人生において、病いや障がいをあたりまえの出来事として含みこんだ人生観や生涯発達観が必要になると思われる。長期ライフを考えれば考えるほど、それは社会・文化的文脈によって大きく左右され、個人差も大きく多様になるだろう。長期ライフを基盤とした、新しい「生涯発達心理学」の理論や方法論をつくっていくためには、人生をナラティヴ(もの語り)としてとらえ、社会・文化的文脈のなかで当事者の病いの語りや生きた経験を重視してきた「ナラティヴ・アプローチ」が有効ではないかと考えられる。病いや障がいを含むライフの経験に迫る生涯発達心理学を構想するために、「人生と病いの語り」をとりあげて、具体的な事例に基づきながら議論してみたい。
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