09:30 〜 11:30
[IL2] 損傷を負った神経系の再編に向けた生物規範デバイス:自然から学びうること
この講演では、損傷を負った神経系を再編するためのデバイスをデザインし、つくる上で、生物からヒントを得ることの有用性について議論する。講演は(ⅰ)基礎、(ⅱ)神経系の身体化、(ⅲ)神経リハビリテーションに対する発達的アプローチ、という3つの部分からなる。第1部ではまず、自然がいかにして、いかなるものを作っているのか、そして動的なシステムがいかにして外乱や摂動に対して適応し得るのかということについて理解することが、生物から学ぶデバイスの基礎になることを論じる。その中で、こうした理解を基礎とする近年のバイオ素材、臨床評価方法、バイオロボティクスの発展を紹介する。第2部では、神経系と行動におけるリズムの役割と、神経系および行動のリズムの組織化と再編に基づく神経系の身体化を捉えるダイナミカルシステムズの視点について論じる。神経系の損傷は、たとえば脳性麻痺における移動機能障害など、なんらかの機能に向けたふるまいの組織や再編のプロセスを妨げることがある。ここでは、乳児や幼児がいかにして環境を探索するのかを理解することが、こうした損傷の影響を低減させるデバイスをデザイン・構築する上で鍵となる知見をもたらすことを論じる。第3部では、神経リハビリテーションに対する発達的アプローチについて、(a)当のシステムがもともと形成されたところの発達的プロセスとおなじプロセスに根差した介入、(b)デバイスに対して応答できる感受性を環境にもたせること、(c)現在のパフォーマンスのレベルと、発達にともなう変化に応じて、アシストするレベルを修正できるデバイスの構築、という3つの点から論じる。
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