第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

心臓

心臓1

2014年9月18日(木) 15:50 〜 16:40 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:佐久間肇(三重大学大学院医学研究科 放射線医学教室)

[O-1-135] 2次モーメント補正型勾配パルスを用いた心筋拡散強調画像法

荻野徹男1,2, 中村智哉3, 宮地利明2, Van Cauteren Marc4, 今井裕5 (1.株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン, 2.金沢大学大学院医学系研究科 保険学専攻, 3.東海大学医学部付属病院 放射線技術科, 4.Philips Healthcare, LTD, 5.東海大学医学部)

背景:心筋DWIの従来法では心拍動のによる信号損失が大きく低b値での撮像に限られた。このため拡散に関連した固有の診断情報は得ることは困難だった。そこで動き補正効果をもつ勾配波形を用いた高b(≧500s/mm2)の撮像を試みた。
方法:2次モーメントまでを0とするパルス(aMC法、図1)を心電同期、横隔膜ナビゲーターと併用した。ssh SE-EPI, b=0、500、800, スライス厚=5mm,12スライス,FOV350mm,3NSA, 2.5x2.5mm2,SENSE2.0,TEは71/aMC法,40ms/従来法であった。脂肪抑制法としてSPIR法とSSGR法を併用した。シネ画像(bTFE)の観察から最適なtrigger delay(TD)を求め、又、TDを100~200msの範囲で変化させTDの画質への影響を観察した。同意を得た健常ボランティア5名をPhilips社製Achieva3.0TXで撮像した。
結果と考察:aMC法:b=500で5名中5名で良好な画像を、b=800では撮像した4名中4名で良好な画像を得た。従来法:b=500で5名中2名で無信号、b=800では4名中2名で無信号だった。TDの変化に対し従来法では100msの変化により信号が失われた(図上段)が、aMCでは比較的良好な画質を維持した(図下段)。ADC値(b=0,500)は、aMC 2.22 ± 0.41、従来法 3.29 ± 1.01 x10-3 mm2/sとなった。
結語:TE延長による信号低下にも関わらず、aMC法では高b(500~800s/mm2)値においても均一な心筋DWI画像を安定して得ることができた。撮像時間は3~4分と短く、今後の臨床的有用性の検討が期待できる。