骨関節-Ｔ１ρとCEST

[O-2-167] ブタ損傷半月板におけるT1rho値と組織学的所見の比較・検討

^〇中川裕介¹, 宗田大¹, 近藤伸平¹, 長田剛², 木内信司³, 田渕隆³, 古賀英之¹, 関矢一郎⁴ (1.東京医科歯科大学大学院　運動器外科学分野, 2.ザイオソフト株式会社, 3.八重洲メディカルクリニック, 4.東京医科歯科大学　再生医療研究センタ-)

【目的】T1rho値は、関節軟骨でコラーゲン量、GAG量を反映し評価に有用である。半月板においては変性半月板でT1rho値が上昇するという報告があるが、半月板の病態とT1rho値の関係はいまだ明確でない。本研究ではブタの内側半月板損傷モデルで、T1rho値と組織所見との関連を検討した。【方法】7膝を使用した。内側半月板中節に横断裂を作成し、4週後に膝関節を摘出した。3.0T MRIでT1rho マッピング矢状断を撮影した。ROIsを長軸方向に沿って前節、後節を各々inner, middle, outer zoneに3分割し設定した。解析はザイオソフト社のTx mappingを使用した。組織はMRI画像と対応するように矢状断の切片を作成し、表層構造、細胞密度、コラーゲン構造、safranin-o染色性の4項目のスコアーで評価した。【結果】組織学的に正常のzoneではT1rho値は35～45と低値であった。断裂部を含むzoneはT1rho値(ms)は65～100の高値を示した。組織学的には断裂部は瘢痕組織で癒合し、コラーゲン構造は認められなかった。断裂部より前方のzoneでT1rho値は50～70と高値であり、組織学的にコラーゲン構造の不整化、safranin-o染色性の低下を認めた。全てのzoneでT1rho値と組織スコアーの間に相関を認めた。【考察】損傷半月において、コラーゲン構造の不整化、safranin-o染色性の低下の程度が大きい部位のT1rho値が高値を示した。T1rho マッピングは半月板中のコラーゲン構造、GAG量の変化を捉えることが可能である。