第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

心臓

心臓2

2014年9月20日(土) 10:40 〜 11:20 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:長尾充展(九州大学大学院 臨床放射線科学分野 分子イメージング・診断学講座)

[O-3-298] 条件付きMR対応ペースメーカリードの心臓検査におけるアーチファクトについて

桜井章二, 柳澤秀樹, 小笠原准哉, 小野寺敦 (船橋市立医療センター 医療技術部放射線技術科)

【はじめに】
従来、ペースメーカ植込み術を施行している患者はMR検査絶対禁忌とされていたが、2012年10月条件付きMR対応ペースメーカ、ペースメーカリードが発売された。2014年5月現在、4社から販売され、4社のうち3社のものがMR検査が条件付きで全身対応となっており、これらが植え込まれた患者の検査が行われている。当院においても、これらのうち1社のペースメーカ植込み術を施行された患者のMR検査を4名5例(頭部1例、頸椎1例、腰椎2例、心臓1例)経験した。
【目的】
今回、条件付きMR対応ペースメーカリード(3社4製品)の心臓検査におけるアーチファクトについて検討を行ったので報告する。
【使用機器】
SHIGNA HDxt ver.15 1.5T GE
ECG SIMULATOR GE
条件付きMR対応ペースメーカリード 3社4製品
自作ファントム
画像解析ソフト ImageJ
【方法】
1. GRE法を用いペースメーカリードが長軸方向となるような自作ファントムの画像(sagittal像)を撮像し、アーチファクトを比較した。
2. 1の画像よりペースメーカリード先端部およびリード中央部の自作ファントムの画像(Axial像)をECG SIMULATORを用い当院の臨床で心臓検査に用いるシーケンス(心電同期)で撮像を行い、アーチファクトを比較した。
【結果および考察】
GRE法を用いたsagittal画像では、ペースメーカリードのアーチファクトは各社とも先端部の方が中央部よりも大きくなった。これは先端部がコイル状の形状をしていること、また先端部分はリード中央部と材質が異なることが理由と考えらてる。また、実際に検査で用いているシーケンスにおけるペースメーカリードのアーチファクトは、ペースメーカリード近傍にはアーチファクトは生じるが、数ピクセルと小さく左室を対象とする心臓検査に影響はないと考えられる。
【まとめ】
今回の検討で3社4製品のペースメーカリードのアーチファクトは局所的に出ることから、検査目的部位がペースメーカリード近傍でなければ、ペースメーカリードが撮像断面に含まれても検査は可能である。現在、ペースメーカはMR対応のものと非対応のものがあるため、検査の際には十分注意が必要である。