第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

泌尿器

泌尿器

2014年9月18日(木) 14:00 〜 14:36 ポスター会場 (3F 金葉の間)

座長:片平和博(熊本中央病院 放射線科)

[P-1-005] 前立腺癌存在診断におけるArterial spin labeling (ASL)有用性の検討

笹尾明1, 林田英里1, 荒川昭彦1, 福井秀幸2, 渡邊紳一郎2, 町田二郎2, 平井俊範3, 山下康行3, 沖川隆志1, 枦山博幸1, 川村傑1, 増田大介1, 太田雄1, 川上恵1, 和田博文1, 北村美穂4, 木村徳典4, 宮崎美津恵4 (1.済生会熊本病院 中央放射線部, 2.済生会熊本病院 腎・泌尿器センター, 3.熊本大学 放射線診断学, 4.東芝メディカルシステムズ)

【目的】前立腺癌診断で、造影MRIは広く行われている。しかしながら、近年ではNephrogenic Systemic Fibrosisの報告があり造影剤使用が禁忌とされる症例も増加してきた。我々はこれまで、頭蓋内腫瘍においてArterial Spin Labeling(ASL)法の有用性を報告してきた。今回の目的は、このASL法を前立腺領域に使用し造影検査と比較することでその有用性を検討することである。【対象と方法】2013/8/26~2014/1/22で前立腺癌疑いのためMRI検査を施行した者のうち、生検で前立腺癌が組織学的に証明された者を対象とした。年齢(56~89歳;平均72歳)、PSA値(5~220 ng/mL;平均47.26 ng/mL)。 MR装置;Vantage Titan (3T) 。粗大な病巣が観察された2名においてTI値を1,400~3,000msecの間で変化させ、ASL撮像のパラメータを決定した。T2WI・DWIを参照し放射線診断専門医と技師の合意でASLスライス選択を行った。また、ASL画像とT2WIの融合画像を作成した。ASL・ダイナミックstudy(DCE-MR)の画質、T2WI・DWIでの病変の範囲とASLおよびDCE-MRでの病変範囲の一致度を独立した2名の放射線科医がそれぞれ3段階評価を行いκ検定を行った。【結果】ASL画質スコアは2.66 ± 0.12、観察者間一致率はκ = 1.00で完全に一致。全対象15例中11例はASLとDCE-MRの範囲は完全一致、4例で部分的な差が見られた。観察者間のASL診断一致率はκ = 0.84で良かった。【結語】非造影MRIによる前立腺癌診断においてASL法は有用な撮像法となり得る。