[P-1-017] Pause scanを併用した3D-SSFPによるMR cineの初期検討
【目的】心筋壁運動の評価を目的とした撮像方法のひとつに2D-SSFPシーケンスによるMR cineがあり、心機能 (心拍出量、駆出率など) 評価や動画として動きを観察することが可能である。しかしながら2D-SSFPによる方法は、左心室の短軸を複数断面で撮影するために、息止め回数増加に伴う検査時間の延長や、スライス間のミスレジストレーションが生じる可能性がある。それらの問題を解決するためには1回息止めによる3D-SSFPが有用であると考えられるが、現実的な息止め時間で設定した場合、2D-SSFPと比較して空間分解能や時間分解能が低下するデメリットがある。そこで今回、3D-SSFPを2D-SSFPと同等な空間分解能、時間分解能で撮影するために、撮影を一時停止するpause scanを併用した分割息止めによる3D-SSFP法を考案し、初期検討を行ったので報告する。【方法】使用装置はPhilips社製Ingenia1.5T (Release5.1.2)、コイルはds Torso (posterior+anterior-coil) を用いた。まず、k-space trajectoryの違い (CENTRA+の有無) による息止め不良時のmotion artifactを、息止め無し、1回息止め、2回息止めの3パターンについて視覚評価した。次に、pause scanが、心筋と心内腔のSNRおよびCRに与える影響について検討した。【結果】motion artifactに対する視覚評価の結果、CENTRA+を併用した2回息止めが最も良い結果となった。また、1回息止めについてもCENTRA+を併用することで有意にmotion artifactの影響が少ない結果となった。pause scanによる影響については、SNRは1回息止めよりも2回息止めの方が高値となったが、CRには差がみられなかった。【結語】pause scanを併用した3D-SSFPを用いることで、従来からの問題点である低い空間分解能、時間分解能というデメリットを補うことが可能となり、臨床における有用性が示唆された。