第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

骨格筋-機能評価

骨格筋-機能評価

2014年9月18日(木) 16:06 〜 16:36 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:渡邉康晴(明治国際医療大学 医療情報学)

[P-1-061] T2緩和時間を指標とした15%最大筋力時の手関節伸展運動筋の解析

秋山純和1, 高森正祥2,3, 吉田一也1,2, 大橋好偉2, 早川実佳2, 拝師智之4, 大塚博1, 瀬尾芳輝2 (1.人間総合科学大学 保健医療学部リハビリテーション学科, 2.獨協医科大学医学部 生理学教室(生体制御), 3.葵メディカルアカデミー 理学療法学科, 4.株式会社エム・アール・テクノロジー)

【背景】我々は第41回本学会で0.2TコンパクトMRI装置を用い、T2 緩和時間を指標に手関節屈曲運動の分析を報告した。MRIは表面筋電図法、超音波法に加え新しい骨格筋の運動分析法になると考えられる。本研究では、物を把持するときなど日常生活で重要な要素である手関節伸展運動について検討した。【目的】最大等尺性収縮筋力の15%に正規化した抵抗運動(15%Max)の等張性収縮運動前後の、T2強調画像とT2緩和時間の変化を観察した。【方法】健常人9名を被験者とした。前腕の近位から3分1をプローブ中央に置き、マルチスライススピンエコーMRI法(TR 2000 ms、 TE 39 ms、FOV 200 mm、Slice厚10 mm、スライス枚数11枚)で撮影しその位置を確認した。ついでCPMGマルチエコー法(TR 2000 ms、TE 10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80 ms、FOV 200 mm、Slice厚15 mm)で、安静時および運動後5分ごとに30分まで6回の撮影を行った。最大筋力の測定は、ミュータスF-1を用いた。手関節伸展運動はall outで終了とした。測定筋は、腕橈骨筋、短橈側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、円回内筋、深指屈筋、浅指屈筋、尺側手根屈筋、橈側手根屈筋とした。T2画像の観察とT2緩和時間の解析には、専用計測ソフトiPlusを用いた。統計解析ソフトはSPSS21.0 for Winにより反復測定による一元配置分散分析を行った。【結果】運動後、T2強調画像から活動筋を良好に弁別できた。短橈側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋に有意なT2 緩和時間の延長を認めた(p<0.01)。その後、緩やかに短縮し、30分で安静時T2100%に対して83.8、83.5、91.7%近くまで回復した。尺側手根伸筋、円回内筋は延長傾向を認めたが、有意ではなかった(p>0.05)。【考察】主動筋の短橈側手根伸筋に対して、総指伸筋、小指伸筋、に協同作用としての活動が確認できた。尺側手根伸筋も協同作用を有すると考えられるので深指屈筋、浅指屈筋、回内筋とともに協同作用について抵抗量を調節して検討を続けたい。