第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

脳・脊髄-拡散

脳・脊髄-拡散2

Thu. Sep 18, 2014 2:48 PM - 3:42 PM ポスター会場 (5F 通路)

座長:堀正明(順天堂大学医学部 放射線医学講座)

[P-1-074] 拡散強調画像による一過性全健忘症における微小異常信号の描出能の検討

小玉亮一, 越智誠 (社会医療法人春回会長崎北病院 放射線科)

【はじめに】一過性全健忘(TGA)は記憶障害のみを生じ、24時間以内に発作中と発作開始直前の記憶の脱落のみを残して回復する症候群である。近年、3TMRIの導入により、高分解能の拡散強調画像(DWI)が臨床応用されている。今回TGA患者に対し、従来の撮像法と高分解能拡散強調画像(Volume Diffusion)を比較検討したので報告する。【目的】TGA患者における海馬の微小病変の検出についての従来の拡散強調画像と高分解能拡散強調画像による比較検討。【方法】使用したMR装置はGE Signa HDxt 3.0Tで、コイルはNV Array coil である。臨床的にTGAと診断された13症例での、従来の拡散強調画像(DWI)および高分解能拡散強調画像(V-DWI)による海馬の微小病変の描出能を視覚的に評価した。撮像条件は、DWIがTR/TE:4700/72.7 FOV:22cm thickness/spacing:6mm/2mm matrix:Freq/Phase:128/256 NEX:2 scan time:38sec で、V-DWIが TR/TE:11600/74 FOV:22cm thickness/spacing:1.6mm/0mm matrix:Freq/Phase:128/128 NEX:2 scan time:3:29sec で行った。【結果・考察】TGAと診断された13例全例に高分解能拡散強調画像で海馬に高信号域が認められた。病変は右7例、左4例、両側2例、計17病変であった。また、10例では1つの病変が、2例では2つ、1例では3つの病変が認められた。従来の拡散強調画像では13例中7例のみに高信号域が認められ、病変は右5例、左2例であった。【結語】高分解能拡散強調画像は、薄いスライスをギャップレスで撮像するため部分容積効果を低減することができ、従来の拡散強調像と比べ頭蓋底や副鼻腔などの空気が接する領域での歪みや磁化率アーチファクトが大幅に軽減できることで微小異常信号の描出率が向上したと考えられた。