第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

送受信回路改善

送受信回路改善

Fri. Sep 19, 2014 3:18 PM - 4:00 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:白猪亨(株式会社日立製作所 中央研究所)

[P-2-140] 9.4T/54mm開口縦型超伝導磁石を用いたMR microscopeの開発

巨瀬勝美1, 拝師智之2 (1.筑波大学 数理物質系物理工学域, 2.(株)エム・アール・テクノロジー)

<はじめに>
NMR信号のSNRは,試料が小さい場合にはRFコイルからのノイズが優勢であり,静磁場強度の7/4乗で増大する.よって,高磁場の有用性は,人体用MRIよりもMR microscope(MRM)で顕著である.そこで,我々は9.4T/54mm開口の縦型超伝導磁石(SCM)を用いてMRMを開発し,撮像実験により有用性を評価した.
<システム構成>
本装置は,上記SCMの他,銅板カットにより製作した円筒型三軸勾配磁場コイル(外径39mm,内径32mm),ソレノイド型RFコイル(内径12mm)及び鞍型RFコイル(内径18mm),デジタルトランシーバー(MRTe製),専用ソフトウェア(S7D,iPlus)などから構成される.静磁場均一性はφ17mm×36mmLで約1ppm,勾配磁場強度は最大400mT/m(Gx,Gy),600mT/m(Gz)である.また,本装置の最大の特徴は,5Gラインが含まれる設置スペースが2m×3mとコンパクトなことである.
<撮像結果>
植物試料と化学固定マウス脳などを撮像した.マウス脳は,Gd-DPTAを加えたFormalin水溶液に数日間浸した後に撮像した.aは,TR/TE=400ms/16ms,matrix:1024×512×128で撮像したセロリの画像,bは,TR/TE=800ms/16ms,matrix:1024×512×64で撮像したマウス脳の画像である.このように,100pL程度の画素体積の明瞭な画像を,半日程度で取得することができた.また,最大1024×512×512画素の画像まで取得・再構成可能であった.以上より,本装置のMRMとしての大きな可能性が示された.