第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

胆・膵臓-機能評価

胆・膵臓-機能評価

2014年9月20日(土) 10:12 〜 10:54 ポスター会場 (3F 栄華の間)

座長:西江昭弘(九州大学大学院医学研究院 臨床放射線科学教室)

[P-3-209] 直腸MRI検査におけるVariable Refocus Flip Angle 3D FSE(CUBE)の基礎的検討

小泉百未, 園田優, 永友秀樹 (聖隷福祉事業団聖隷佐倉市民病院 放射線科)

【背景・目的】直腸MRI検査においてT2WIは直腸壁の層構造を粘膜層、粘膜下層、固有筋層の3層に描出することができるため腫瘍の深達度の評価が可能となる。しかし、直腸の構造上、病変部に垂直な横断像が撮像できない場合は層構造の観察が困難なことがある。Variable Refocus Flip Angle 3D FSE(以下、CUBE)はvolumeの撮像が可能であり、画像再構成で任意の撮像断面を作成することができる。そこで今回、CUBEを用いて直腸MRI検査におけるT2コントラストについての基礎的検討を行った。
【方法】装置はGE社製3.0T MRI装置Discovery 750w、コイルはHead coilを用いた。撮像条件はCUBE Enhance 2、NEX 3を固定し、Band Width(以下、BW)とEcho Train Length(以下、ETL)を変化させた。日興ファインズ社製MRIファントム90-401型System Iを撮像し、得られた画像から75%、77%、79%PVAゲルと生理食塩水、脂肪のSNR、CNRを算出し、当院ルーチンの2D FRFSE T2WIと比較した。ファントム実験で得られた結果をもとに、Body Array coilを用いて本検討に同意を得られた健常ボランティア4名を撮像し、直腸壁の層構造の視覚的評価を行った。
【結果】BWによるSNRの低下はほとんどみられなかった。また、生理食塩水とのCNRにおいて当院ルーチンと同等となるのはBWによらずETL130以上であった。含水率の差が4%のPVAゲルのCNRはETL70以上、BWが100以上で当院のルーチンと同等となった。含水率の差が2%のPVAゲルのCNRはETL70から90、BW100以上で同等となった。ETL90、BW111で健常ボランティアを撮像し、良好なコントラストを得ることができた。
【考察】ETLが高く、BWが狭くなるほどTEは上昇し、今回の条件ではETLが110を超えるとBWによらずTEが120msecを超えた。このため、直腸の3層構造のような微細なT2コントラストの変化を描出するためにはETLは70から90までに設定し、BWは100以上に設定することで良好なコントラストが得られると示唆された。