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[競技スポーツ-A-05] トップスポーツにおけるスポーツファーマシストのあり方(社)
第3期スポーツ基本計画では、スポーツ・インテグリティの確保と推進が掲げられている。その中では、教育研修や研究活動等を通じたドーピング防止活動の展開が求められている。しかし、その推進を担う一人と考えられるスポーツファーマシスト(以下、SPと略す)が果たす役割や活動目標について、研究として明らかにした調査はない。そこで、アスリートやアンチ・ドーピング(以下、ADと略す)に関わる多様な対象者の観点から、SPのあり方を明らかにすることを目的とした。調査対象者は、「トップスポーツに関わる者」で、「SPとしてAD活動に従事する者」(中央競技団体で活動するSP2名)、「SPとAD活動を熟知し、その推進を図る者」(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構専務理事1名)、そして「SPからADに関するサポートを受けたことがある者」(中央競技団体強化責任者1名、オリンピックメダリスト2名)を設定した。調査は、半構造化インタビューを行い、リサーチクエスチョンとして「トップスポーツにおいてSPが求められることとは」を設定した。分析は、修正版グラウンデッド・セオリーアプローチにて行った。本研究の結果から、SPは、トップアスリートを薬やサプリメント使用時の不安から守り、安心して競技に取り組めることを支えることが求められると示唆された。また、スポーツに関わる他の医療従事者と連携し、トップアスリートの健康を支える役割を担う存在となることも示唆された。さらに、その実現に向けて、自身の専門的な資質能力の向上のために、スポーツを基盤とした学習を継続し、それによって推進されるSPの活動が、社会に広く認知される必要性が示された。SPは、スポーツに資する薬の専門家として、スポーツ・インテグリティの確保に向けて、教育的役割を担う可能性も示唆された。