日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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スポーツ文化研究部会 » 【課題B】人々の生活に根ざした多様なスポーツ文化をいかに醸成していくか

スポーツ文化研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/スポーツにおける/をとおした「多様性と調和」はいかにして可能か ―身体・組織・支援の観点から―

2022年9月1日(木) 10:30 〜 12:20 第10会場 (2号館4階45教室)

コーディネーター:加藤 えみか(京都産業大学)、髙尾 尚平(⽇本体育⼤学) 
指定討論者:渡 正(順天堂大学)

[スポーツ文化-SB-2] パラリンピックを通して考える共生社会

*河合 純一1 (1. 公益財団法人日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会)

<演者略歴>
1975年静岡県生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科修了。パラリンピック6大会に出場、金5を含む全21個のメダルを獲得(日本人最多)。2016年、パラリンピック殿堂入り(日本人初)。筑波大学、上智大学、慶応義塾大学非常勤講師。東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター協力研究員。東京2020パラリンピック競技大会/北京2022パラリンピック冬季競技大会日本代表選手団団長。
パラリンピックは世界最高峰のパラアスリート(障害のあるアスリート)の競技会であり、ハイパフォーマンススポーツとしての地位を確立してきた。そこで、東京2020パラリンピック競技大会、北京2022パラリンピック冬季競技大会日本代表選手団の活躍を振り返りつつ、日本社会に及ぼした影響を考察する。また、東京2020大会の基本コンセプトの1つであった「多様性と調和」を実現してきた事例を大会開催決定後からの動きを中心に紹介する。中でもパラリンピック教材『I’mPOSSIBLE(アイムポッシブル)』、東京2020アクセシビリティガイドラインの作成、活用事例をパラリンピックの歴史や意義に触れつつ説明する。
 その上でD&I「ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)」の違いを説明し、共生社会(インクルーシブな社会)を実現するための段階(ステップ)について検討する。
 最後にパラリンピックは「人間の可能性の祭典」であると伝え続けてきた立場から、共生社会のイメージを共有し、JPSA2030年ビジョンにある「活力ある共生社会の実現」の可能性を示す。