日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題C】 体育・スポーツ健康科学は学校保健体育の進展にいかに貢献できるか

学校保健体育研究部会【課題C】口頭発表③

2022年9月1日(木) 14:00 〜 15:03 第11会場 (2号館4階46教室)

座長:柏木 悠(専修大学)

14:48 〜 15:03

[学校保健体育-C-12] 現代的なリズムのダンスにおける基本動作「ダウン」と「アップ」の学習方法に関する実践提案(教)

反省分析によって提案された実践方法の有効性と課題の検討

*川瀨 雅1、長谷川 晃一2 (1. 環太平洋大学、2. 上越教育大学大学院 芸術・体育学系)

本研究の目的は、長谷川(2022)が実践の反省分析によって提示したダウンの指導方法の有効性や課題を検証することである。検証は、中学校及び高等学校教諭免許状(保健体育)の取得を試みる学生51名を対象にし、倫理審査の承認と参加者へのインフォームドコンセントを得て実施した。検証においては、現代的なリズムのダンスにおける授業を想定した「ダウン」と「アップ」の動作習得を3回の授業にわたって指導した。ダウンの指導は長谷川が実践の反省分析によって提示した指導方法を実践し、その方法を転用してアップの指導をした。各授業回終了後に、授業についての質問紙調査を実施し、ダウンとアップの習得状況を10段階で自己評価することと動作習得にあたり難しいと感じた点と新たに得たコツを記述することを求めた。記述内容をクラスターごとに分類し、授業の様子を撮影した動画と合わせて反省分析の資料とした。
 結果として、ダウンとアップは基本の動きではあるが、動きを統合することに困難を感じていることが明確になった。習得状況の自己評価の平均値は授業回を重ねるごとに向上し、標準偏差は減少した。コツに関しては授業回を重ねるごとに具体的になり、何かに例えることをコツとする記述が増えた。「膝でリズムをとることは容易にできる」、「腕或いは肘の動きが膝の曲げ伸ばしと連動しない」、「2つ目の指示まではできるが指示が3つになると混乱する」という記述が複数あったことから、長谷川が提案したようにアップとダウンの動作をstep1からstep3まで区切って段階的に習得していくことは有効だと考えられる。しかしながら、膝はリズムとテンポに合わせて動かせているが、腕の動きが加わることで全体の動きを統合できなくなる。「腕を動かす」と同時に「胸を動かす」ことは最後まで課題が残った。結果の詳細については当日発表する。