16:18 〜 16:33
[競技スポーツ-C-08] 1924年パリ五輪に向かう日本選手団一行の船上でのトレーニングに関する一考察(人,史)
野口源三郎の著作を手掛かりとして
1912年ストックホルム大会、1920年アントワープ大会に続く三度目のオリンピック出場を控えた日本選手団は、南回り航路(南シナ海-インド洋-地中海経由)で開催都市のパリに向かった。約6週間にわたる船旅において、当時のアスリートたちはいかに鍛錬し、どのようにコンディショニングを行ったのか。本発表では、選手団一行に帯同した野口源三郎(大日本体育協会主事)が遺した文献史料を主な手掛かりとして、特に陸上競技と水上競技に出場する各選手の船上での体力・技術トレーニングの内容を分析し、一部の写真史料とともに報告したい。
狭小な甲板上(デッキ)でのランニング・ステップ(足踏み)、尻尾部にひもを括り付けたやり・円盤を洋上に放つ投てき練習、あるいは船の中に設置された約6m四方のプールでの水中トレーニングなど、その多岐にわたる試みは独創的で目を見張るものが多い。あらためて各競技団体(連盟)が発足する以前の時代に着目し、いわば歴史の中に埋もれてしまっている先駆者らの足跡を辿ることで、ひいては現在の日本における科学的根拠に基づくトレーニングの理論と実践に関する一つのルーツに迫ってみたい。
狭小な甲板上(デッキ)でのランニング・ステップ(足踏み)、尻尾部にひもを括り付けたやり・円盤を洋上に放つ投てき練習、あるいは船の中に設置された約6m四方のプールでの水中トレーニングなど、その多岐にわたる試みは独創的で目を見張るものが多い。あらためて各競技団体(連盟)が発足する以前の時代に着目し、いわば歴史の中に埋もれてしまっている先駆者らの足跡を辿ることで、ひいては現在の日本における科学的根拠に基づくトレーニングの理論と実践に関する一つのルーツに迫ってみたい。