日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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体育経営管理/口頭発表①

2022年9月2日(金) 10:20 〜 11:22 第3会場 (3号館4階402教室)

座長:望月 拓実(大阪国際大学)

11:02 〜 11:22

[06経-口-03] アドベンチャーツーリズムに関する国内研究動向

文献レビューを通じて

*荻間 英樹1、木村 和彦2、作野 誠一2 (1. 早稲田大学大学院、2. 早稲田大学スポーツ科学学術院)

日本ではアドベンチャーツーリズム(以下、AT)を重要な観光戦略として位置づけることが明記されている(観光庁, 2020: 観光庁, 2021: 日本政府観光局, 2022)。ATとは、「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」と定義される(日本アドベンチャーツーリズム協議会, online)。ATの特徴として、一人あたりの旅行消費額が大きい点が挙げられ、世界の観光市場消費額の約30%がATによるものと推測されている(Adventure Travel Trade Association, 2021)。ゆえに、新型コロナウイルス感染拡大によって大きく打撃を受けた日本の観光産業再興にむけた打開策として期待が寄せられている。
 これまでのAT研究は、消費者、プロダクト、そしてハイブリッド(消費者とプロダクトの両方)に関する3つの領域に分類できる(Janowski et al., 2021)。まず消費者領域は、スリルや興奮、恐怖などのAT参加者に関わる心理的要因をテーマとした研究が含まれる(Schlegelmilch & Ollenburg, 2013; Beckman et al., 2017)。次に、プロダクト領域は、ツアーやスキルなどのプロダクトに関する研究を包含している(Imboden, 2012; Buckley, 2017)。最後に、ハイブリッド領域ではリスクや危険、チャレンジなどのテーマが挙げられ、これまでに最も研究の焦点があてられている(Cheng, 2018; Janowski et al., 2021)。しかし多くのAT研究が欧米でのモデルや理論の構築によるもの(Cheng et al., 2018)だが、Buckleyほか(2014)は、欧米のATモデルが非西洋文化におけるATの概念化とその実践を必ずしも捉えていないことを指摘している。したがって、AT推進に取り組む日本においても、今一度ATに関する研究動向を整理する必要がある。なぜならば、日本版ATの概念化を行うために重要な資料となり得るからである。そこで本研究の目的は、国内学術雑誌に掲載されたAT研究の動向を検討し、今後の研究課題を議論することである。結果の詳細は当日に報告する。