日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(奇数演題) ポスター発表

2022年9月2日(金) 10:00 〜 11:00 第一体育館バスケ2 (第一体育館バスケ)

[09方-ポ-35] 「スポーツを通じた共生社会の実現」からみたゴルフの課題

初心者、障がい者、LGBTQの観点からの一考察

*浅井 泰詞1,2、北 徹朗3 (1. 武蔵野美術大学 大学院、2. 高千穂大学 人間科学部、3. 武蔵野美術大学)

日本のゴルフ人口は520万人とされピーク時の3分の1近くまで減少しているが、この状況は人口減少やプレー者層の高齢化問題だけではない可能性がある。第3期スポーツ基本計画(2022)では、障がい者や女性のスポーツ参加を施策目標としているが、ゴルフはどのように貢献できるのか。ゴルフと同様にリゾートスポーツとして発展してきたスキーと比較すると、スキー場では、スノーボード、テレマークスキー、スノースクート等、様々な用具でプレー可能であり、リフト券もシーズン券、1日券、半日券、回数券等、状況に応じて選ぶことができる。しかし、ゴルフの場合、ドレスコードに従い規定された用具を用いて、前半9ホール後に食事を挟み、後半9ホールを行う画一的なスタイルが一般的である。ゴルフ場でのマナーの1つに「クラブハウスでの脱帽」があるが、障がいや病気のために脱帽が困難な場合もある。北(2018)はゴルフの特徴である「エチケット」「マナー」がその解釈の仕方によっては利用者同士の摩擦や誤解を生み、ゴルフ離れにつながりかねないことを指摘している。2020東京オリパラの際、霞ヶ関カンツリー倶楽部の正会員が男性限定であることが問題とされた。同様にゴルフ場にはレディスティが設置されていることが殆どだが、LGBTQの観点からはこれも問題ではないか。従来、飛距離が出ない女性の進行を早めるためというビジネス側の都合によるものが大きいと思われるが、実際には飛距離は出るが真っすぐ飛ばない男性より、飛距離は少ないが曲がらない女性の方がプレー進行が速い場合も少なくない。北ら(2019)は扱いやすくプレーの進行にも貢献できる「初心者用ゴルフクラブ開発」を提案しているが、更なるデータ収集と改良が必要である。ゴルフにおいて、第3期スポーツ基本計画であげている「スポーツを通じた共生社会の実現」のためには、幾つもの課題があるのではないか。