[03心-ポ-36] スポーツ経験がAssertiveness(アサーティブネス:自己主張)に及ぼす要因の検討
近年、世界がグローバル化を図る一方で、国内大学生におけるコミュニケーションスキルの向上は一層重要な要素となっている。著者らはコミュニケーションスキルの一つとされているアサーティブネスに着目して、発達段階に応じたスポーツや身体活動(PA)の経験と大学生のアサーティブネスとの関係を検討した(Egawa et al、2021)。結果として①小学生の段階における中・高競技レベルのスポーツへの参加(未経験者 vs 中競技レベル:調整済みオッズ比1.70、95%CI 1.02 - 2.81、未経験者 vs 高競技レベル:AOR 2.29、95%CI 1.11 - 4.71)、②中等度PAの実施(非活動的PA vs 中等度PA 720分/週以上: AOR 1.97、95%CI 1.05 - 3.72)、③活発なPAの実施 (非活動的PA vs 活発なPA 360.0 - 739.9分/週以内: AOR 2.19、95%CI 1.31 - 3.68)、上記 3点に関連が見られた。小学校の英語教育で必要とされるアサーティブや都道府県において、自分も相手も大切にする手段の在り方としてアサーティブコミュニケーションの重要性が説かれ、トレーニングプログラムが展開されている。しかしながら、アサーティブネスとスポーツ経験の関係性に言及した先行研究は見受けられないことから、本研究では小学校における中・高競技レベルを対象とした競技種目を明らかにし、アサーティブネスに及ぼす要因の検討を図ることとした。対象者は日本の大学生844名のうち、全国大会以上の参加経験がある73名と県大会、地方大会への参加経験がある214名であった。分析の結果27種目のスポーツが抽出された。また、それぞれ先行研究に沿ったスポーツ類型を算出した結果、個人記録型(陸上、水泳など)8種目、個人対人型(柔道、剣道など)4種目、ゴール型(バスケットボール、ハンドボールなど)3種目、ネット型(バレーボール、テニスなど)7種目、野球型(野球、ソフトボールなど)2種目、チーム記録型(チアリーディング、新体操など)3種目が明らかになった。参考:Jun Egawa, Yasuyuki Yamada, Motoki Mizuno.(2021) The Impact of Sports and Physical Activities on Assertiveness in University Students. Juntendo Medical Journal 67(3):257-263.