[11教-ポ-05] 体力の二極化を配慮した小学校体育サッカーにおけるゲーム中の身体活動量
ボールの相違による影響
本研究では、小学校体育サッカーにおけるゲーム中の活動量を、ボールの相違と関連付けて検討することを目的とした。そのために、石川県下のA小学校5年生1クラス24名(男子12人、女子12人)を対象にして、ゴムボール(molten社製、B614J)を用いたゲームとスポンジボール(molten社製、STS21)を用いたゲームをそれぞれゲーム行わせた。いずれもコートの広さ・人数、ゲーム時間は次の通りとした。(縦20m×横10m・3対3、ゲーム時間3分)。 活動量計(Omron社製、HJA-750C)を用いてゲーム中の各運動強度ごとの活動時間(低強度:0~2.9METs、中強度:3.0~5.9METs、高強度:6.0~METs)を測定した。また、ゲーム終了後に技術・戦術面、体力面、心理面から構成される質問紙調査を実施した(5件法)。 主な結果は次のとおりである。 ① ゲーム中の各運動強度ごとの活動時間をみると、ゴムボールを用いたゲームとスポンジボールを用いたゲームとの間に有意差は認められなかった(低強度 ゴム:10.8±20.4秒、スポンジ:17.5±30.0秒、中強度 ゴム:133.8±26.2秒、スポンジ:130.8±28.7秒、高強度 ゴム:35.4±25.7秒、スポンジ:31.7±26.5秒)。 ② ゲーム終了後の質問紙調査をみると、心理面の関心の項目12・13・14「関心」「意欲」「態度」において肯定的に回答した(あてはまる・よくあてはまる)児童の割合は、いずれも9割を超えた。 以上の結果は、両ゲームともに活動量は変わらず、かつ楽しくゲームを行うことができることを示唆するものである。