日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題C】ハイパフォーマンススポーツ(トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表②

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:19 RY107 (良心館1階RY107番教室)

座長:九鬼 靖太(大阪経済大学)

10:20 〜 10:34

[競技スポーツ-C-05] サッカーにおける継続的なドリブルトレーニングがドリブル動作様式に及ぼす効果(方)

中学サッカー選手を対象として

*多賀 健1,2 (1. 苫小牧工業高等専門学校、2. 筑波大学大学院人間総合科学学術院コーチング学位プログラム)

本研究の目的は,中学サッカー選手を対象にサッカーにおける継続的なドリブルトレーニングがドリブルパフォーマンスや動作様式に及ぼす影響を明らかにすることである.被験者は中学1年生のサッカー選手であり,トレーニング群は17名,コントロール群は15名であった.トレーニング群はドリブルトレーニングを,コントロール群はアジリティ及びパス&コントロールトレーニングを1回2時間行うトレーニングの中でトレーニング開始から約40分間行い,それを1週間に約3回の頻度で16ヶ月間実施した.両群はドリブルテストとドリブル時の動作撮影をトレーニング前,3ヶ月後,6ヶ月後,10ヶ月後,16ヶ月後に実施した.ジグザグドリブルにおけるTimeはトレーニング群の方がコントロール群と比較しトレーニングが進むにつれ大幅に減少し,その要因としてジグザグドリブル時のボールタッチ毎の身体重心速度平均が大きく向上したことが考えられる.ダブルシザースフェイントでは,シザース時のTimeはトレーニング群の方がコントロール群より大幅に減少し,その要因としてトレーニング群の前額面の水平方向における体軸傾きの標準偏差が小さくなったことが考えられる.さらに,身体重心速度はトレーニング群のみトレーニングが進むにつれて有意に増加した.その要因として,ボール接地時の支持脚膝関節角度が減少したことが考えられる.ダブルタッチフェイントでは,ボール速度と身体重心速度は両群共に増加したが,トレーニング群の方がコントロール群より大幅に増加した.その要因として,ボール接地時の支持脚膝関節角度が減少したことが考えられる.以上の結果から,本研究の中学サッカー選手を対象とした継続的なドリブルトレーニングは,ドリブルテストのTimeの減少やドリブル時の動作様式を変化させることが示唆された.