日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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生涯スポーツ研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/社会の成熟と生き方、そして Well-Being―産業・健康・文化―

2023年8月31日(木) 10:10 〜 12:10 RY305 (良心館3階RY305番教室)

コーディネーター:林 洋輔(大阪教育大学)

[生涯スポーツ-SB-2] 地域高齢者を対象とした小規模トレーニング施設「十坪ジム」事業の発想、展開、隆盛、衰退の経緯

*小林 寛道1 (1. 静岡産業大学)

<演者略歴>
1970年東京大学大学院教育学研究科修了(教育学博士)、’70~名古屋大学、‘86~04東京大学大学院総合文化研究科教授、’04~14東京大学特任教授 日本大学特任教授、静岡産業大学客員教授、2023年現在 静岡産業大学特別教授 スポーツ医科学センター長
世界一流スポーツ選手の走技術の基礎原理を体験的に習得する「足が速くなるマシン」(スプリントトレーニングマシン)を1995年に開発した。このマシンに含まれる要素を発展させ「船漕ぎマシン」「車軸移動式パワーバイク」など20種類の「おもりの負荷を用いないトレーニングマシン」を開発し「認知動作型トレーニングマシン」と名付けた。筋肉痛が起きにくい、力を抜いて動作する、体幹深部筋を無理なく強化する、脳の活性化をもたらす、歩行動作や走動が改善する、などのことから、地域高齢者を主対象とする小規模トレーニングジム(十坪ジム)を徒歩10~30分圏内に多数つくり、地域の活性化を促すとともに高齢社会の健康増進事業を2004年から展開した。NPO法人を立ち上げ、指導者は地域の中高齢者を養成し、最高齢指導者は91歳であった。最盛期には、柏市内に10店舗、会員数1650名となったが、コロナ禍により、現在は会員数500名。事業承継により、柏市内に5店舗、NPOは解散した。理想とした理念、発展と隆興、衰退、課題などを18年間の事業経営の経緯を踏まえて発表する。現在の会員の平均年齢は70歳代後半、80歳代は多数。