日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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体育科教育学/口頭発表③

2023年9月1日(金) 11:25 〜 12:44 RY201 (良心館2階RY201番教室)

座長:加登本 仁(安田女子大学)、中島 寿宏(北海道教育大学)

11:41 〜 11:56

[11教-口-12] 小学校中学年を対象とした3つの資質・能力に関する体育授業評価尺度の開発

*藤井 一貴1,2、大友 智3、吉井 健人6,2、西田 順一4、深田 直宏5 (1. びわこ成蹊スポーツ大学スポーツ学部、2. 立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科、3. 立命館大学スポーツ健康科学部、4. 近畿大学経営学部、5. びわこ学院大学教育福祉学部、6. 育英大学教育学部)

【目的】本研究は、小学校中学年を対象に、3つの資質・能力の獲得についての授業評価尺度を開発することを目的とした。2つの研究課題を設定し、研究を遂行した。研究課題1では、3つの資質・能力ごとの授業評価尺度を開発した。研究課題2では、3つの資質・能力を総合的に評価することが可能な総合版体育授業評価尺度を開発した。【方法】〔研究課題1〕2021年2月に予備調査(n=419)を行い、同年6月及び7月に本調査(n=724)を行った。質問項目を、体育科教育学及び体育心理学を専門とする研究者の計6名により、小学校学習指導要領解説体育編(文部科学省,2017)における各学年の目標の記載を基に作成した。〔研究課題2〕2021年12月に調査(n=651)を実施した。質問項目は、研究課題1で開発された尺度から、3つの資質・能力を代表すると考えられた項目を採用し、質問紙を作成した。【結果】〔研究課題1〕「知識及び技能授業評価尺度」は、「運動の技能」(3項目)及び「運動の知識」(3項目)で構成された。「思考力、判断力、表現力等授業評価尺度」は「運動方法の思考・判断」(3項目)及び「運動課題の思考」(2項目)で構成された。「学びに向かう力、人間性等授業評価尺度」は、「運動の安全」(3項目)、「運動の愛好」(2項目)、及び「運動の共生」(2項目)で構成された。各尺度において、検証的因子分析における適合指標は許容できる値を示した。各尺度全体及び各因子においてα係数及び安定性は十分な値を示した。〔研究課題2〕「総合版体育授業評価尺度」は、「運動への取り組み」(3項目)、「運動の思考・表現」(3項目,α=.80)、及び「運動の知識・安全」(3項目)で構成された。尺度において、検証的因子分析における適合指標は許容できる値を示した。尺度全体及び各因子においてα係数は十分な値を示した。