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[11教-口-14] 小学校体育授業ボール運動ゴール型サッカーおける上位児と下位児の関わりの実態に関する研究
体育授業は、多様な背景を持った児童が共に学ぶ場であり、運動技能が高く、運動に対する好意的態度が高い児童(上位児)と、運動技能が低く、好意的態度も低い児童(下位児)が同一の集団に属していることは珍しいことではない。こうした異質な能力や態度を持つ集団において、学習が良好に機能していくためには、上位児と下位児との関わりが大きな鍵になると考えられる。ところで、下位児に着目した先行研究では、教師が下位児に対して運動学習への適切な関わりをしたとき、学習成果も高まること(細越,2003)を明らかにしている。また、上位児は肯定的に仲間と接する態度が重要であり、下位児へ肯定的雰囲気を作ることが重要であるともしている(浅川,2016)。こうした先行研究の成果を踏まえると下位児にとっては、教師や仲間といかに肯定的な関わりが持てるかが重要であるといえる。しかし、先行研究では上位児と下位児の関わりに着目した研究が十分にされておらず、実証的に示されているとは言い難い。上位児と下位児との関わりを明らかにすることは、今後の体育授業を考える上で、有益な指導法の一つになるのではないかと考える。そこで本研究では、小学校体育授業ボール運動ゴール型サッカーにおける上位児と下位児の関わりの実態を明らかにすることを目的とする。なお、本研究における関わりは言語活動に限定することとする。対象授業は、X県Y市の小学校5年生に向けて実施し、ボール運動ゴール型サッカーを基にした簡易化されたゲームである。分析対象は抽出した上位児と下位児である。抽出児の言語行動を撮影し、データの収集を行った。分析は抽出グループの関わりを逐語記録し、作成した評価基準を基に、児童の関わりについて言語活動に着目して分析を行った。現段階では、下位児には積極的な関わりが見られず、上位児が積極的に仲間と関わる様子が見られている。なお、結果の詳細は当日発表する。