日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(偶数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 14:00 〜 15:00 RY451 (良心館4階RY451番教室)

[09方-ポ-50] 二重跳びにおける熟練者と未熟練者との跳躍動作の比較

習熟度の異なる二重跳び実施者2名の事例的検証

*大芝 健人1、濵道 健1、原 英喜2、森山 進一郎2 (1. 東京学芸大学大学院、2. 東京学芸大学)


【背景・目的】近年の小・中学生に見られる体力低下を抑えるためには、運動に苦手意識をもたないことが重要となる(スポーツ庁,2022)。運動に苦手意識をもつ大学生のつまずき経験として小・中学校時代の二重跳びの失敗がある(吉田,2014)。二重跳びは、指導者による適切な介入が必要であるにも関わらず、実際の指導では「縄を早く回す」や「高く跳ぶ」などの抽象的な指導が散見される。そこで、本研究は、二重跳びの指導法の確立に向けた資料を得るべく、習熟度の異なる二重跳び実施者の跳躍動作の相違を明らかにすることを目的とした。【方法】参加者は、二重跳びが実施可能な者(SJ)と実施不可能な者(NSJ)をそれぞれ1名ずつとした。二重跳びを行うよう指示した際の跳躍動作を実施者の側方に設置した高速度カメラ(240fps)で撮影し、得られた画像から動作分析ソフトウェア(Frame-diasⅤ)を用いて、身体上の15箇所の分析点をデジタイズした。得られた座標は、2次元DLT法によって実長換算され、跳躍高、接地および滞空時間、接地時、最大跳躍高時と離地時の股関節、膝関節、足関節、体幹前傾の角度および身体重心位置を参加者間で比較した。【結果】接地時、最大跳躍高時と離地時の股関節、膝関節および体幹前傾の角度は、NSJよりもSJの方が大きかったが、最大跳躍高はNSJの方が高かった。離地時から最大跳躍高時にかけての関節角度の変化を見ると、SJは股関節、膝関節および体幹前傾の角度がほとんど変化しなかったのに対し、NSJでは股関節と膝関節を屈曲させ、かつ体幹を前傾させていた。また、接地時間はSJよりNSJの方が短く、滞空時間もSJよりNSJの方が短かった。【結論】SJは、NSJよりも離地時から最大跳躍高時にかけて、股関節および膝関節の屈曲を抑制した姿勢で跳躍していることが明らかとなった。