日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

講演情報

ポスター発表(専門領域別)

専門領域別 » 測定評価

測定評価(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 12:50 〜 13:20 RY208 (良心館2階RY208番教室)

[08測-ポ-33] 上肢と下肢の協調性を評価する簡便なフィールドテストの考案

*李 潤杰1、来田 宣幸1、権野 めぐみ1、野村 照夫1 (1. 京都工芸繊維大学)


緒言
 近年、競技選手を対象とした調整力や協調性が注目されている。しかし、それらの能力を評価する方法が不足している。そこで本研究では、上肢と下肢の協調性に着目し、フィールドで実施可能な簡易テストを考案し、日常的な協調性トレーニングとこのテストの関係を明らかにすることを目的とした。
方法
 対象者は高校競技選手89名とした。この対象者を、リズムに合わせて手と足を動かす協調性トレーニングをチームとして日常的に練習に取り入れている25名(練習群)とチームとしては取り入れていない64名(未練習群)に分けた。本研究では、独自に考案した6つの課題を用いた。この課題は120bpmでその場でジャンプしながら、上肢と下肢を動かす課題であった。ジャンプは16回として、4回1シリーズの動作パターンを4シリーズ反復した。上肢は着地のタイミングに合わせて、頭や肩を触る動作とし、6つの課題全てで同じパターンとした。下肢は開脚または閉脚で着地する動作とし、それぞれ異なる組み合わせの6課題を設定した。実験では、6課題の動作パターンを説明した後、5分間の自由練習時間を設け、その後テストをおこなった。評価は上下肢とも正しい動作パターンができたか否かとして、シリーズごとに成功か失敗を記録した。
結果
 6課題中で成功した課題数は練習群(2.08±1.67課題)が未練習群(1.02±1.03課題)より有意に高い値(t = 3.617、p < .001)であった。少なくとも1シリーズは成功した課題数でも練習群(4.96±1.34課題)が未練習群(3.44±1.36課題)より有意に高い値(t = 4.648、p < .001)であった。 
考察
 本研究で考案した簡易テストは、協調性トレーニングを日常的におこなうことで向上した能力を反映している可能性がある。しかし、横断的研究であるため、限界は多い。