The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » 測定評価

測定評価(偶数演題)/ポスター発表

Fri. Sep 1, 2023 1:20 PM - 1:50 PM RY208 (良心館2階RY208番教室)

[08測-ポ-26] カーネル密度推定を用いた重心動揺面積評価の特徴

外周面積との比較から

*Yu Uchida1 (1. Jin-ai Women's College)


[目的および背景] カーネル密度推定(KDE)を利用した重心動揺面積評価は、従来の評価法では得られなかった新たな知見を提供するかもしれない。本研究の目的は、KDEによって算出された重心動揺面積(KDE面積)の特徴を、外周面積との比較から検討することであった。 [方法]成人男女32名が本研究に参加した。被験者は重心動揺計上で1分間の両足立位姿勢(閉足)を3試行ずつ実施し、計96試行のデータが得られた。得られた座標データから2次元のKDEを実施し、5%と95%に加え10%刻み(10%~90%)の等高線を計11本図示した。等高線は、それぞれの%が示す確率質量が等高線内に位置するように描かれている。等高線は飛び地になることがあるが、本研究では各等高線の水準内で飛び地も含めた合計面積をKDE面積(11種)として算出し、飛び地の個数も併せて記録した。その他の重心動揺変数として総軌跡長、外周面積、矩形面積が算出された。解析は全試行のデータを用いて実施された。全試行を用いて外周、矩形、および各種KDE面積を比較した。また、95%KDE面積/外周面積の値により全試行を過少評価(0.95未満)、同一評価(0.95~1.05)、過大評価(1.05超)の3群に分類し、各種変数の群間差を検討した。 [結果]95%KDE面積以外の面積変数は外周面積とすべて有意な差が認められた。全96試行のうち過小群は34試行(35.4%)、同一群は38試行(39.6%)、過大群は24試行(25.0%)であった。飛び地個数は、過少群は5%KDEにおいて同一群よりも多く、60%KDEにおいて過大群よりも少なかった。 [結論]95%KDE面積は外周面積と同等の面積となる。ただし、約6割は±5%以上の面積の違いが生じており、これらの違いには飛び地の個数が影響しているかもしれない。